学校法人・教育業界コンサルタントの水溪です。
いつもお読み頂き有難うございます。
高校生の頃、「学校の授業が難しくて置いてけぼりになってしまった」という経験をお持ちの方はいらっしゃらないでしょうか。
私はあります。
全国高等学校PTA連合会が2009年に行った調査では、高校生の4人に1人が「授業が難しくてついていけない」と感じている、という結果が示されています。
このような現状を踏まえ、校内に『学習支援センター』を設け、積極的なサポートをされている高等学校さまがおられます。
東京都内の例で言いますと、かえつ有明中・高等学校さん、八王子実践高等学校さん、等々力中学校・高等学校さん、武蔵野中学高等学校さん、女子聖学院中学校高等学校さんの取り組みが知られています。
これらの取り組みを概観してみますと、学習支援センターの原点は、
●生徒が自学自習を行う事が出来、講習の受講や教員への質問が出来る場所と時間を設ける。
と言う点にあります。
一見シンプルですが、学習・質問が出来る「場所」「時間」を明示する事で、学習習慣の獲得と構造化がなされる為、十分な効果が期待出来ます。
前述した学習センターの機能を充実させた例として、ハイレベル講座、英検・漢検など各種講習を付加したり、進学指導を行うものもあります。
また、個別ブースを設け集中しやすい環境づくりをしているケースや、夜21:00まで利用可能な学校もあります。
しかし、学習支援センターの進歩は、これだけにとどまりません。
さらに先進的な学校では、
●学習支援センターのサポート体制のシステム化
を進められています。
具体的には、
●「単元別のテスト⇒分析⇒補習」のサイクルを回す事による学力向上施策
●ビデオ教材、eラーニングシステムの導入
を行い、更に生徒の学力向上に関与する形を取っておられます。
学校が持つ役割と責任を、授業外にも広げて認識されている好例と言えるかと思います。
ただ、必ずしも支援内容とコンテンツを増やせば良い、という訳でもありません。
学校が目指す方向や、生徒のニーズ、現在の校内資源を鑑みながら、自校に合ったオリジナルの学習支援センターを作る事が理想と言えるでしょう。
水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)