発達障害のある新入生を迎える大学がすべき事

学校法人・教育業界コンサルタントの水溪です。

いつもお読み頂き有難うございます。

全国で、入学式や入社式のニュースが聞かれる4月になりました。

急な環境変化への適応や、人間関係上の苦手を持つ発達障害のある当事者さんにとっては、特にストレスが多い季節だと思います。

実際、こうした大学生へのサポートを専門にされている支援者さんにお会いすると、

●大学に合格したのに、入学後の宿泊型のオリエンテーションで躓き、不登校状態になってしまった。

●単位履修の仕方が十分に理解出来ず、誰にも相談する事が出来なかった。

という話をしばしば伺います。

ある種の感覚上の過敏さを持つ方にとって、宿泊型のイベントは苦痛や刺激に満ちており、非常に敷居が高いものです。

また、キャンパスでは親しくなった者同士で「履修科目どうする?」と相談し合う風景が至る所で見られますが、仲間関係を築くのが不得意な人にとっては、そういった輪に入るのは困難です。

(それ以外にも、アナウンスの聞き漏らし、掲示の見落としがあったり、同学年の生徒をモニタリング出来ていない為に、「周りの人がやっているから、自分もやらなきゃ。」という考えに至らない事も考えられます。)

こうした生徒に対して、大学教職員がすべき事は何でしょうか。

最も必要なものは、

●障害の疑いのある相談者の話をよく聴くこと。

●生徒、保護者、場合によっては高校進路担当者と連携を取り、入学前から人的なサポートの体制を整えること。

にあります。

(後者に関しては、保護者や高校の教員が支援のニーズを自覚していないと難しいですが・・・。)

前述した入学後の躓きに立ち返ると、

●障害特性の為に宿泊型のオリエンテーションが難しいと申告して来た生徒には、別途個別のガイダンス日を設ける。

●履修上の悩みは教務課、心の悩みは学生相談室、進路に関する悩みはキャリアセンター、というように相談の為の資源を明示する。

と言ったことで、スムーズに大学生活へと繋ぐ事が出来ます。

ただ、現場の教職員の方の中には、「その生徒だけ特別扱いは出来ない。」「甘やかしでは無いか。」「そんな事では、卒業後に社会で通用しない。」という誤解をお持ちの方もいらっしゃると思います。

ある意味では、それは正しい事なのかもしれません。

ですが、

●「障害特性の為に現時点で困難な事があるのであれば、飛び越えられる別のハードルを設ける。」

というのは、必要な教育的配慮だと私は思います。

今は出来なくても、これからの大学生活の中で徐々に獲得していく事は沢山有るのですから。

先ほどのオリエンテーションの例で言えば、別日程を設け、その約束をきちんと守るよう約束する事は、甘やかしではありません。

障害特性に対する正しい理解と、教職員の方々の対応・伝え方次第で、解決出来る事はまだまだ沢山あります。

是非、様々な背景を持つ生徒が充実した大学生活を送れるような学校づくりを一緒に進めていきましょう。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)

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