複線型教育体系と職業教育の見直し

学校法人・教育業界コンサルタントの水溪です。

いつもお読み頂き有難うございます。

教育再生を掲げる安倍政権のもと、高等教育の「複線化」を巡る議論が進められています。

この議論は、高等教育機関における「学術教育」と「職業教育」の複線化を行い、同時に、専門学校を含めた職業教育の高度化の実現を目指すものです。

実際、平成24年度の学校基本調査を見ても、新規高卒者に占める専門学校進学率は16.8%(前年度比+0.6ポイント)と3年連続の上昇を示しており、職業教育への社会的な期待の高まりが伺えます。

しかし、明治5年の学制に始まる我が国の学校系統図は、基本的には大学教育を一つの頂点とし、依然

「幼稚園⇒小学校⇒中学校⇒高等学校⇒大学」

という一本の線を中心とした構成である為、それ以外のコースの評価は十分とは言えません。

今回の議論が進めば、

①特定の教育段階における「学術教育」と「職業教育」を行うカリキュラムの分岐。

②専門学校を含めた職業教育の高度化と、職業教育教育修了者に対して付与する学位の整備。

が実現される可能性があります。

①に関しては、どこまでを共通の教育とする事が適切かを見極める必要がありますが、②に関しては、学位の付与によって、職業教育修了者の国際的な評価が向上するという意味でも望ましい事だと思います。

少し想像の飛躍があるかも知れませんが、専門学校へ多くの進学者を輩出する高校も、遠くない将来に上記の変化を念頭に置いた事業戦略の立案と学科・コース・カリキュラムの見直しが求められる事になると考えられます。

大きな流れが来ているようです。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)

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