学校法人・教育業界コンサルタントの水溪です。
いつもお読み頂き有難うございます。
これからの季節、全国の高等学校さまでは第二回、第三回のオープンキャンパスの準備が進められているのでは無いでしょうか。
昨今、オープンキャンパスの場で「体験授業」を導入しているケースが散見されますが、中には学校の特色や学科・コースの魅力を効果的に伝える工夫がなされ、それ自体に教育的な効果が期待出来るものもあります。
しかし、先生方からお話を伺っていると、毎年恒例の体験授業をすることが目的となってしまい、必ずしも明確な意図を持たないまま実施されている事があるようです。
ここで足をとめて考えて見たいのですが、私は体験授業は大別すると次の3つのパターンがあるように思います。
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第一は、学習に対する動機付けを目的とするもの。
有名な外部講師を招いたり、最先端の研究に取り組む大学関係者による特別講義の実施などがこれに当たります。
ハイレベルな印象を与える事が出来る反面、実はこれ、普段の学校の様子を伝えている訳では無いという短所があります。
第二は、先生方の普段の授業に触れさせることを目的とするもの。
各科の教員が腕によりをかけた授業を提供し、参加者は希望するものを受講します。
専門の科を持つ学校では、実習や職業体験の一部を見せるものもあるようです。
普段の学校の姿や、先生の人となりを見せるには、この形が最も優れているように思います。
第三は、お楽しみ要素を全面に出したもの。
オープンキャンパスは一種のイベントという側面もありますので、楽しい体験をして帰って貰うのも一つの方法です。
(ただ、高校は「学びの場」ですし、これが全面に出てくるのは私は少し違うように思いますが。)
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皆様の学校の体験授業は、どのタイプに一番近いでしょうか。
勿論、どれが正しいという答えはありません。
それぞれの要素をバランスよく盛り込んだり、第一回、第二回と回を重ねるごとに前述した3要素の比重を変えていく方法もあります。
オープンキャンパスは、生徒獲得の手段であるとともに、先生達が学校をどのような場として捉えているか、また、どんな学校にしたいと思っているかを示す発信の場でもあります。
是非、先生方で体験授業の目的について議論を重ねて頂ければと思います。
水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)