放課後等デイ事業への営利企業参入の是非

教育・福祉業界コンサルタントの水溪です。

いつもお読み頂き有難うございます。

平成24年4月1日の児童福祉法の一部改正によって現在の形となった放課後等デイサービスですが、比較的参入障壁が少ない業態である為、エリアによっては順調に事業所数が伸びている地域も見られます。

実際、関東のある政令指定都市の担当者さまは、2013年4月に約30件だった事業所数が、現在50件以上にまで増加していると仰っていました。

このエリアに関しては待機者数も多く療育サービスに対する需要が超過している為、まだまだ受け皿増につながる参入は望ましい事と言えます。

ただ、地域によっては利益を目的に企業が安易な気持ちで参入し、サービスの質の低下、ひいては廃業同然の経営を行っているというケースがあるのも事実です。

そういった環境に一時的にでもおかれる利用者さん・保護者の方の気持ちを考えると、これは療育機会上の損失とも言えます。

福祉関係者の中では、企業の障害福祉サービスへの参入そのものを疑問視する方もおられるかもしれません。

しかし、私はそれは誤解だと思います。

障害福祉市場全体を考えると、より良いサービスを提供する意思と資源を持った企業が参入し、利用者が複数の中から選択出来る世の中は、私は基本的に正しいと考えるからです。

現在お付き合いをさせて頂いている企業さまも、生徒の成長を促す教育サービスを提供する中で発達障害というテーマと出会い、放課後等デイという形に辿りついたそうです。

こうした、高い倫理観を持った経営者さまが自助努力によって質の高い療育を行う為の工夫を行い、結果的に高い利益を上げられる環境は私はあるべき姿だと思っています。

換言すれば、障害のある児童生徒の将来に関わる気持ちがあり、市場のニーズを理解した上で正当に収益を上げていこうとする事業体が求められているマーケットと言っても過言ではありません。

是非、同じ価値観を共有出来る経営者様と一緒に何か出来ればと思います。

~追記~

勿論、福祉業界の課題の全てが競争で解決されれば良いとは考えていません。

例えば、一般に認知されていない障害に対する支援や、マンツーマンで無ければ命に関わるもの、個人での利用費負担が難しくかつ収益も上がりにくい分野もあります。

そういった福祉分野は、政策によって安定的な受給が保障されるべき領域であると思います。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)

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