高校で担任をしていると、聞き上手とは言えない私でも、生徒の相談事を聞くことになる。
人間関係についての悩みが多い。
すぐに対策が浮かぶものがある。
苦しさがありありと伝わってくることもある。
生徒が怒り傷ついていること対して、同じくらい腹が立つこともある。
でも、実際の所は良く分からないことや、上手く答えられない場合の方が多い。
31歳になってお腹が出始めた人間が15・6歳の生徒の悩みを聞くのだから、ある程度は仕方が無いと思う。
ともすれば、すぐに自分のフレームワークの範疇で捉えようとしたり、知っている事例を当てはめたり、大人の目から見た解釈をしそうになる。
そうすると、途端に相手との間にある流れのようなものが止まってしまう。
やはり、まずは相手の気持ちをキャッチする事が一番大切なのだと思う。
大人になると忘れてしまいそうになるけれど、小中学生や高校生にとって、今居る学校という場は世界の殆んど全てと言っても良い。
僕は偶々不登校は経験しなかったが、小学生のある時期は学校という場がとても辛かった。
他に世界を知らないし、逃げ場が無かったら尚更だ。
目の前の生徒もきっと同じだと思う。
そういう意味において、学校という場は重い。
それだけは忘れずに、耳を傾けていきたいと思います。
水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)