春からの生活に不安を感じている生徒がいれば、何かしら声を掛けたいと思っていた。
ただ、実際にはそんな機会は無かったし、杞憂だった。
そもそも、いざ生徒を前にすると「身体に気をつけて」ぐらいの言葉しか出て来ない。
行き場が無くなってしまった思いを、ここに書き留めておく。
①自分の中で経過した3年間を信じる
高校生活の中で、自分なりに成長した実感を持ってくれていれば、この上無い喜びだ。
その自信は、これからの進路で自分の足元や将来を照らす灯りになってくれる。
ただ、もしかしたら成長を感じられずに、不安に苛まれているかも知れない。
自分の眼では、自分のことはよくわからない。
それでも、絶対に成長している。
悩み苦しみながら過ごした時間であったとしても、3年間続けた自分を信じて欲しい。
②自分で選び取ったことに意味がある
希望通りの進路を得られなかったという気持ちや、ある種の劣等感を持つ生徒もいる。
でも、そんなものは長い眼で見たら、豊かな人生を生きる上で殆ど関係無いと思う。
「合格通知」「内定通知」はあくまで切符。
自分の力でそれを手にし、選び決断したことの方に意味がある。
そこから何をするかで自分の値打ちが決まるようにも思う。
新しいスタートを、心から応援したい。
③チャレンジは少しずつ
はじめの数ヶ月、場合によっては半年~1年は、新しいことの連続でとても疲れる。
無理をせず、新しい環境やリズムに体を馴染ませることを一番にして欲しい。
まずは土台作り。
受験や就職活動の中で思い描いたプランに手をつけるのは、少しずつで良いと思う。
④誰かの助けを借りる
僕自身は賢い学生では無かったし、新卒で就職してからも全然仕事が出来る人間では無かった。
自分で努力をしていることもあるが、色んな先生に教えを請うたり、学外の職業人から吸収したり、職場で助けて貰ったことが積み重なって、今の自分の力になっている。
相談することや助けて貰うことは、決して恥ずかしいことじゃない。
進学先であれ職場であれ、きちんと人に頼って欲しい。
⑤最後に
どうしても苦しいことや、素敵なことがあれば高校を訪ねて欲しい。
近況を知れるのは嬉しい。
ただ、こんな心配はきっと無用なんだと思う。
卒業おめでとう。
水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)

担任ではなかったけれど、生物学を担当していた先生が、高校卒業前の最後の授業で、「これからいろいろなことを経験する中で、どうしても困ったことが起こったら先生に会いに来てほしい」と言ってくれました。
その後、実際に困った状況に直面した時、会いに行く勇気はなかったけれど「頼ってもいい人」がいると知っているだけで、困難な状況を何度も乗り越えたことを覚えています。
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Ellieさん
コメント有難うございます。
身近にそんな方がいらっしゃったんですね。
とても味わい深く拝読しました。
素敵なエピソードを有難うございます。
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