新型コロナの影響も終息に向かい、多くの学校で登校再開の動きが見られるようになりました。
この2か月間、勤務校でもオンライン授業を主体にしながら、限定的な形での登校機会が設定されて来ました。
しかし、全国にはこうした機会さえ無かったり、登校日に欠席が続いてしまい、これから学校に通えるか不安に苛まれている高校生もいると思います。
実際、過去の長期欠席経験が背景にあり、中々リズムが作れない生徒も見られます。
広義の支援者として10代の高校生と話が出来るとしたら、少なくとも次の3つを伝えたいです。
(ここでは新型コロナウィルスに伴う問題はひとまず脇に置き、一般的な登校不安について書いています。)
①何よりもまず心身の健康が最優先
中学時代に不登校を経験し、今なお登校出来ない生徒の中には、自分の力だけでは解決が困難な病気や障害が生きづらさの一因になっているケースがあります。
適切な医療機関に繋がり、様々な努力を重ねる中で状態が改善し、無事高校を卒業していく生徒に出会って来ました。
その入り口は、身近な内科かも知れませんし、場合によっては思春期外来や睡眠外来、メンタルクリニック等かもしれません。
余りにも登校への負担が大きい場合は、どうにもならない苦しみが大きくなる前に、外部の支援機関に繋がってみることを心に留めておいて下さい。
②環境調整の為に出来ることから取り組む
何らかの「動きづらさ」「学ぶ上での困難」があったとしても、出来ることからストレスを減らしたり、良い習慣作りや環境調整を進めている生徒が居ます。
それは、家庭内で出来る食事や睡眠・運動・余暇に関する工夫や、生徒-保護者間のコミュニケーションの取り方かも知れませんし、学校や教員が出来る些細な声掛け、配慮かもしれません。
少しでも動きやすく(過ごしやすく)なる為に、まずはどんな方策から取り組めそうか生徒に投げ掛けてみたいですし、教員として出来ることがあれば是非教えて欲しいです。
③高校は学びの場の一つに過ぎない
自校の生徒には、日常的に「(学校で)待ってるよ」「また明日」という言葉掛けをしています。
良くも悪くも、教員として“学校はくるべきもの”という前提で関わってしまっている自分が居ます。
ただ、今属している学校や学び方が唯一の方法では無いということは伝えておきたいです。
例えば、自分の将来の生き方や設計図が既に出来上がっていて、その為の力や資源を持っている、若しくは必要な資源にアクセスする術を知っている人は、無理して高校に通う必要は有りません。
苦痛しか無い高校生活や、3年間で何の成長も見出せない場合も止めておいた方が良いかも知れません。
学校以外にも一人前の大人になる道筋は無数に有ります。
とは言え、高校教諭をしている以上、同年代と一緒に先人が築いた知に触れながら成長する場として、学校はそれ程捨てたものでは無いとも思っています。
心の底に少しでも登校してみようかなという思いを持っているのであれば、全国の教員を代表して「待ってるよ」と伝えたいです。
水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)

高校二年生の後半頃から、反抗心が芽生えて、時々学校へ行かず街へ遊びに出ていた事を思い出しました😆。
もし「待っているよ。」と
声をかけてくれる優しい先生がいてくれたら、もっと気分良く学校へ通えたかも。。。。😊
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