教員一年目は、2年生のクラスを受け持った。
担任としての私は、ダメダメだったと思う。
生徒の心は上手く掴めず、学校での日々のルーティンにも慣れないし、ミスも多かった。
今だから言えるが、教室には「去年の〇〇先生はこうだったのに」「××先生のクラスの方が良かった…」と言う空気が漂っていて、何とかしようとして更に空回った。
沢山失敗をして、同学年の先生には数え切れない程助けて頂いた。自分が原因で生んでしまったクレームについて反省したことも多い。
生徒対応についてベテランの先生から注意を受けたことも一度や二度ではない。そんな中、時にエレベーター内で同僚が「あの場面(の生徒指導)は、水溪先生が正しかったと思いますよ」とそっと声を掛けてくれたことは、小さな自尊心への慰めとなった。
ここまでは思い出話。
クラス運営について思うのは、同僚の支えは勿論、実は「助けてくれる生徒」の存在がとてつもなく大きい。
今改めて職員室を見渡すと、自校の一年目の先生は皆、少しでも良い授業をする為に工夫をし、絶えず生徒を気に掛けている。
そんな教員側の思いを汲んでくれる生徒がクラスに何人かいるだけで、とても心強いものだ。
私にも、そんな風に支えてくれた生徒が何人か居る。今も居る。
別に、教員の言うことを聞く良い子になって欲しい訳でも、失敗を大目に見て欲しいという訳でも無い。
ただ、担任の思いや意図していることを、少し想像してくれるだけで良い。
是非、一緒にクラスのことを気に掛けて力を貸して欲しいです。
水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)