健全なコミュニケーションを増やす仕掛け

12月1日火曜日の朝に、教室の入り口付近にこんな仕掛けを置いてみました。

その日の日付の箇所をめくると、中からチョコが出てくるアドベントカレンダー。

当初考えていたねらいは、

①朝5分前には登校する習慣を強化したい。

②終業式までの残り日数を意識しながら過ごして欲しい。

③始業前の生徒間での小さなコミュニケーションのきっかけを作りたい。

という3つ。

改めて振り返って見ると、①については、冬季は様々な理由で遅刻欠席が出る時期でもあり、出席率・遅刻率共に変化は見られず。

②については、体力や学習・対人面で少し疲れが出始めていた生徒にとっては、時間や予定の見通しがわかるというのは、ある種のストレス軽減につながるように思います。

最も効果を感じたのは、③の生徒間のコミュニケーション。

私も毎朝5~10分前には教室の端に居るようにしていますが、その日食べた生徒がチョコの味について感想を口にしたり、カレンダーをめくったかお互いに声を掛け合ったりと、生徒の小さな集団間でもほんわかとしたやり取りが見られました。

朝余裕を持って登校した学校での数分を、少しだけ楽しく過ごす上では役に立ってくれたようです。

色々尤もらしいことを書きましたが、生徒がわいわいしているのを見るのは、単純に嬉しいものでした。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)

苦手だから出来ないこと→苦手だけど出来ること

通信制高校で仕事をしていると、生徒から対人的な悩みを聞くことがしばしば有ります。

一例を挙げると、不登校を経験をして来た生徒にとって、ペアワークやグループワークが有る授業、すなわち複数の生徒とのコミュニケーションが発生し得る場は不安の種のようです。

ここから、具体的な解決策・代替案を提示していくのが教員の役割。

ただ、こういった訴えを聞いた時、まずははごくあっさりと

「そうなんや。」

と返答するようにしています。

最初は、否定も肯定もしません。

勿論、これだけでは折角の成長の機会を逸してしまいます。

相手との関係性やタイミングにもよりますが、少しずつ

「(他の人と接するのが)好きじゃなくても、まあまあ出来るようになるかも知れないで。」

「今は出来なくても、少しずつやればハタチぐらいには出来てるかも知れないよ。」

「一人が好きなのは全然良いけど、大勢とも居られる方が生き易いよ。」

というメッセージを伝えていきます。

損得が響く生徒であれば、

「コミュニケーション力を今のうちにつけておいた方が、大人になてからおトクやで。」

「単に知識が有るだけより、色んな人と関わる力があった方がお金になるよ。」

という話をします。

直ぐには変化に繋がらなくても、そうした積み重ねが半年後・一年後の成長に響いて来るのだと思います。

余談ですが、私自身中高生の頃は人と関ることに苦手意識しか無かったですが、10代の終わりに偶々教育の世界に惹きつけられ、訓練の結果多少変わりました。

得意かと聞かれたら分かりませんが、必要な話は出来るし、そういった力を寄せ集めて生徒と関わっています。

人間には向き不向きも有りますし、苦手なものを好きになる必要は有りません。

でも、自分は苦手だと思っていることでも、まあまあ出来るようになるかも知れない。

やってみることで、自分や他者に対して新しい発見が有るかも知れませんよ。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)

忘れてはいけないこと

高校で担任をしていると、聞き上手とは言えない私でも、生徒の相談事を聞くことになる。

人間関係についての悩みが多い。

すぐに対策が浮かぶものがある。

苦しさがありありと伝わってくることもある。

生徒が怒り傷ついていること対して、同じくらい腹が立つこともある。

でも、実際の所は良く分からないことや、上手く答えられない場合の方が多い。

31歳になってお腹が出始めた人間が15・6歳の生徒の悩みを聞くのだから、ある程度は仕方が無いと思う。

ともすれば、すぐに自分のフレームワークの範疇で捉えようとしたり、知っている事例を当てはめたり、大人の目から見た解釈をしそうになる。

そうすると、途端に相手との間にある流れのようなものが止まってしまう。

やはり、まずは相手の気持ちをキャッチする事が一番大切なのだと思う。

大人になると忘れてしまいそうになるけれど、小中学生や高校生にとって、今居る学校という場は世界の殆んど全てと言っても良い。

僕は偶々不登校は経験しなかったが、小学生のある時期は学校という場がとても辛かった。

他に世界を知らないし、逃げ場が無かったら尚更だ。

目の前の生徒もきっと同じだと思う。

そういう意味において、学校という場は重い。

それだけは忘れずに、耳を傾けていきたいと思います。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)

 

小さな手応え

人の話を聴くのは難しい。

日々高校生と向き合っていてそう思う。

本当の意味で話が出来る関係はすぐには出来ないし、そもそも聴き手となる「私」の器が小さくては、メッセージを受けとる事も出来ない。

でも、時々ではあるけど、相手の本音や素顔が垣間見える瞬間がある。
面談や電話の受話器を通しての事もあるし、普段の何気無い表情を見てそう感じる事もある。

勿論、そういった瞬間が2・3度あった程度では、相手の悩みの総体は見えないし、すぐに何かが解決する訳でもない。

しかし、何かが伝わったという感触は自分の心に残る。

抽象的かも知れないけど、こうした小さな手応えを大切にして行きたいと思います。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)

一番値打ちが有るもの

一年生の生徒を見ていると、とても楽しい。

表情から、前向きな気持ちが伝わってくるからだ。

生徒と何気なく交わす言葉の端々から、中学校の頃の躓きや、自身の苦手を乗り越えようという意志が見てとれる。

高校で身に付けるべき力や知識は沢山有るが、この「前向きさ」に勝る物は無いと思う。
単に勉強が出来る/出来ないということより、ずっと値打ちが有る。

ここ数日は、只々感心するばかりだった。

しかし、仕事はこの先だ。
眺めているだけでは、教員とは言えない。

自分がすべきことは、大きく二つ有ると思う。

一つ目は、この前向きなエネルギーを大きくし、発揮し続ける為に必要な行動特性を身に付けさせること。
土台作りと言っても良いかも知れない。

二つ目は、個々の生徒の理想に近づく為に、目先の具体的な目標を一緒に共有すること。

言葉にするのは簡単だけど、一人一人の事はまだ良く分からない。

その為にも、もっともっとコミュニケーションを取っていかなければならないと思います。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)