生活指導担当として作りたい環境

職場の高校における、生活指導担当としての役割を考えています。

自分の理解では、生徒が安心して学べる環境を作ること、様々な教育活動が機能し生徒が育つ為の風土やカルチャーを作ることだと思っています。

細かい施策を語る前に、そもそもどんな状態の学校を作りたいか。

組織としての数量的な目標は勿論有りますが、私が思い描く質的な理想は次のようなものです。


リビングスキル・ソーシャルスキル」

(学校が全てでは無いが)毎日朝から登校できる体力と習慣を身につける。

集団の中で過ごすことへの耐性を高める。

学習だけでなく、自身の性格や行動、日常生活についても振り返ることが習慣となっている。

対人的な小さな失敗や試行錯誤を通じて、人との適切な距離感を身につける。

適切な相手に、適切な方法で助けを求められる。

「価値観や他者への態度」

自分と違うキャラクターの人間を疎外・攻撃するので無く、それぞれの個性を受け入れられる。

人と比較しての優劣では無く、挑戦すること、前向きに努力すること自体を尊いと思える。

「マナーやパブリックスペースでの過ごし方」

好き嫌いや相手の社会的身分に関係なく、挨拶と丁寧な言葉遣いが出来る。

来校者に対して気持ちの良い挨拶が出来る。

自分の欲求だけでなく、「公共の福祉」と言う視点で考えられる。

パブリックスペースで床に座り込んだり、ものを食べながら歩くのは恥ずかしいことという認識を生徒が持っている。

「自分と周囲の為に気づき行動する習慣作り」

(掃除当番に関係なく)ゴミやキャンパスの汚れを、教職員と生徒が進んで綺麗にしている。

「マインド」

義務教育とは異なる学ぶ時間を持つ意味、社会から投入されているお金の重みを多少なりとも実感している。

保護者から一歩だけ自立する。

「ミッション」

学び成長することが自分と他者の為になること、将来社会の役に立つことを実感している。

自分が社会に何が提供できるかを少しだけ考えている。

「風土」

朝の登校時に、教員と生徒、生徒同士が気持ちの良い挨拶を交し合うことが日常風景になっている。

クラスの大半の生徒が、始業前の教室で各々の学習課題に取り組んでいる。

「どうせウチの学校は」と言う生徒はいない。(学校が最高の環境を目指し努力し続けており、かつ生徒が通信制高校に対して劣等感を持たない状態を作る。)

生徒が卒業時にこの学校で良かったと思える。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)

苦手だから出来ないこと→苦手だけど出来ること

通信制高校で仕事をしていると、生徒から対人的な悩みを聞くことがしばしば有ります。

一例を挙げると、不登校を経験をして来た生徒にとって、ペアワークやグループワークが有る授業、すなわち複数の生徒とのコミュニケーションが発生し得る場は不安の種のようです。

ここから、具体的な解決策・代替案を提示していくのが教員の役割。

ただ、こういった訴えを聞いた時、まずははごくあっさりと

「そうなんや。」

と返答するようにしています。

最初は、否定も肯定もしません。

勿論、これだけでは折角の成長の機会を逸してしまいます。

相手との関係性やタイミングにもよりますが、少しずつ

「(他の人と接するのが)好きじゃなくても、まあまあ出来るようになるかも知れないで。」

「今は出来なくても、少しずつやればハタチぐらいには出来てるかも知れないよ。」

「一人が好きなのは全然良いけど、大勢とも居られる方が生き易いよ。」

というメッセージを伝えていきます。

損得が響く生徒であれば、

「コミュニケーション力を今のうちにつけておいた方が、大人になてからおトクやで。」

「単に知識が有るだけより、色んな人と関わる力があった方がお金になるよ。」

という話をします。

直ぐには変化に繋がらなくても、そうした積み重ねが半年後・一年後の成長に響いて来るのだと思います。

余談ですが、私自身中高生の頃は人と関ることに苦手意識しか無かったですが、10代の終わりに偶々教育の世界に惹きつけられ、訓練の結果多少変わりました。

得意かと聞かれたら分かりませんが、必要な話は出来るし、そういった力を寄せ集めて生徒と関わっています。

人間には向き不向きも有りますし、苦手なものを好きになる必要は有りません。

でも、自分は苦手だと思っていることでも、まあまあ出来るようになるかも知れない。

やってみることで、自分や他者に対して新しい発見が有るかも知れませんよ。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)

横の繋がり

昨年末の12月に、クラスの生徒が企画した「2016年お疲れ様会」で、焼肉の食べ放題に行ってきた。

一応の趣旨は、文化祭の売り上げを使って、入学以来頑張ってきたお互いを労いあうと言うもの。

同月に行われた合唱コンクールの打ち上げも兼ねていた。

強制力の無い日曜日のイベントながら、8割近くの生徒が集まってワイワイ過ごす事が出来た。

今回教員として嬉しかったのは、クラスの生徒の横の繋がりがよく見えたこと。

出来るだけ多くの生徒が集まれるように、お店の選定やスケジュールについて何度も話し合いがされた。

皆で食事を囲むことが苦手な生徒がいると聞けば、どんな座席配置にしたら安心か相談したりもした。

また、参加するか迷っている生徒については、僕が声を掛ける以外にも、

「クラスの誰が誘ったら、○○○君は来るやろ。」

というように、普段の雑談の中で自然に話題にのぼる空気が出来ていた。

旗振り役のリーダーを中心に、一人一人の生徒がお互いに一寸ずつ気遣いが出来たからこそ、楽しい時間を共有出来たのだと思う。

後日保護者の方と話をすると、

「ウチの子は、クラスメイトとこういう風に集まったのは初めてで…。」

という声もあった。

この一年を振り返って、 とても良かったなぁと思う。

余談だが、僕個人の価値観を言うと、大勢と過ごす時間より一人でいる方が好き、という考え方も嫌いじゃ無い。

ただ、皆とも過ごせた方が色んな集団の中で生き易くなるし、もしかしたら人間としての幅も広がるかも知れない。

押し売りはしたく無いけれど、少しずつそういった時間にも慣れていって貰えればと思います。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)

朝のセルフチェックの習慣化

今週で夏休みが終わり、8月末には生徒が揃って登校してくる。

職員休暇中は、身の回りの整理をしたり、身体を動かしたりして過ごした。

のんびりする時間が出来ると、

「3年間という限られた時間で、生徒をどこまで連れて行けるのか。」

「自分は教員としてどうなりたいのか。」

といったことぼんやり考える。

大きい問いなので、まだ上手くは答えられない。

ただ、目先のことに関して言うと、新学期は今一度、土台作りに力を入れたいと思う。

例えば、朝のSHRまでの過ごし方。

その一部を明文化すると下記のようになる。

学習の為の姿勢、聞く姿勢を自分で整えること。

人に言われてからするのではなくて、自分でチェックすることに意味がある。

地味なことかも知れないけど、まずはきちんとした習慣を作らないと、学んだことが積み上がっていかない。

良い3年間が過ごせるように、繰り返し伝えていきたいと思います。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)

 

始業までにすべきこと

今こそ掲げるミッション

10代の終わりに通った美術予備校で、ミッション、ビジョン、コアバリューという言葉を教わった。

つまりは、「自分の旗を掲げろ」というメッセージだと思う。

大切な事を確認する意味で、今の自分のミッションをここに記しておきます。

===== mission =====

①教育を通じて、自己と社会を知る機会を提供する。

②発達上の課題や悩みと直面する人に寄り添い、一緒に乗り越えられる存在になる。

③生徒の力を引き出せる学校と組織を作る。

④生を享受する。この世の美しい物事に触れ、感じた事を記録し発信する。

⑤自分自身と身近な人の幸せの為に生きる。

===== vision =====

●33歳までに、教科指導、SST、学年運営の面でミドルリーダーとしての役割を果たせるようになる。

●35歳までに、小規模キャンパスをマネジメント出来る力をつける。

===== value =====

●失敗から学ぶ。

●よく身体を動かし、よく考える。

●何かのせいにしない。

●整理整頓の徹底。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)