学校法人・教育業界コンサルタントの水溪です。
いつもお読み頂き有難うございます。
この時期、多くの高校では入試説明会に先立ち、オープンキャンパスやオープンスクールが開催されています。
お付き合い先の学校を始めいくつかに訪問させて頂きますと、授業の一部を体験させるもの、早い段階で入試対策について触れる学校、外部の特別講師を招聘する学校、複数回実施し回を重ねるごとに異なった内容を用意する学校など、実に様々です。
ここで少し立ち止まって考えてみたいのですが、そもそもオープンキャンパスで伝えるべき事とは何でしょうか。
自校の魅力、各学科・コースの特色、サポート体制、教職員の方々の人となり、授業の様子、進学実績、部活動・・・などなど。
どれも間違っていないと思います。
参加者の自校に対する関心を高めることで、次回のイベントや入試説明会に誘導し実際に受験させるという目的が、生徒募集を考える上での一つの正解になるのでしょう。
しかし、「まず伝えるべき事は何か」と考えた場合、個人的には
●高校生になるとは一体どういうことか。
を伝えるのが最も大切なように感じます。
多くの生徒さんは高校進学を当たり前のことと考えているかも知れませんが、高校進学という事自体は本来主体的な一つの決断であるはずです。
私が実際に見学に伺った高校では、体験授業や学校説明の場で、中学校や高校・大学での学習との違いや、今が人生の中でどういう位置づけの時期なのか、そもそも学ぶとはどういう事かを先生方の言葉で伝える時間を持たれていました。
つまり、
①「先生達は、学ぶという事や高校での学習とはこういう事だと思っている。」⇒②「ウチの学校では、こんな取り組みをしている。」⇒③「君達自身は、何の為に勉強しようと思っているの?」
というように生徒に問いかける流れを持っているのです。
多くの学校では、ひたすら②を伝える事に終始しているのでは無いでしょうか。
これは、極端な言い方をすればただの押し売りになりかねません。
勿論、学校のカラーやブランド、歴史やカルチャーによって追求すべきオープンキャンパスの形は異なります。
あくまで個人的な意見ですが、きちんとした情報と先生方の姿勢を伝えた上で、生徒自身に考えさせる機会を提供する形が私は理想だと思っています。
水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)