教員としての5年目を迎えるにあたって

先週、入学時に1年間だけ担任をさせて貰った生徒達の卒業式が有りました。

過去の記録を繰ってみると、2016年の4月にこんなことを書いていました。

この春から、1年生の担任をさせて頂くことになりました。
明日は始業式。
いよいよ、正式に新入生達が登校してきます。
何やら、宝物を預かるような気持ち。
現実には、教員をやっていると大変な事も有りますし、帰り道で自分の授業を思い返しながら「くそっ!」と呟いている日が大半です。
それでも楽しみなのは、やはりこの仕事が好きだからなのだと思います。
今の気持ちを忘れずに居たいです。

明日

教員として生まれて初めて受け持った1年生に対し、新鮮な気持ちで向き合っていたことを思い出します。

直接関わった時間は僅かでしたが、晴れやかな表情の卒業生達を送り出すことが出来て、本当に良かったです。

一息ついて、直ぐに新年度です。

新しい組織や役割について分からないことも多いですが、この数日間、どんな姿勢で5年目を過ごすかを考えていました。

頭に浮かんだ柱は3つ有ります。

1つ目は、生徒の成長や日々の悩みに、自分が一番泥臭く関わること。

高校生の倍ほどの年齢になり、職場にも慣れてきた今、20代の先生と比べると生徒と少し距離が出来てきました。

勿論、持ち味や距離感は人それぞれ違いますし、関わり方の質が変化するのは当然だと思います。

それでも、生徒のことを一番良く見ていて、小さなことにも率先して動ける教員で有りたい。

学級運営や授業、生徒対応でも、もっともっと色んなことを試していきたいです。

2つ目は、各クラスの課題を、組織で支える風土を作ること。

比較的若い組織である自キャンパスでは、若手の先生も全員が担任を持っています。

その熱心さ、技量の高さには驚くばかりですが、生徒の課題をチームで支えるという動きは、まだまだ不足しているように感じます。

クラスや学年、コースを越えて、少しでもキャンパス全体で個々の生徒と関わっていく空気を作っていきたいです。

3つ目は、生活指導・生徒指導課の一員として、生徒に力をつけさせる為のアプローチを年単位で行うこと。

この1年間、生徒指導上で苦しい思いをした出来事が複数有りました。

個々のことは語れませんが、少しでも問題行動を未然に防げるよう、日々社会のルールをきちんと教えなければならないと思います。

当然、それだけでは足りません。

何故そのようなルールがあるかを考える時間や、社会性と情動の学習の機会をしっかり保障していきたい。

学校だけではコントロールし切れないことは多いですが、生徒が誰かを傷つけてしまったり、傷つけられずに済むよう、後悔の無い指導を行いたいと思います。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)

性教育についての覚え書

2月の始め頃に、リヒテルズ直子さんによる「オランダに学ぶこれからの日本の性教育」という講演を聴講して来ました。

性教育と言うテーマに関心を持った私自身の動機としては、

  • 小中学校段階で誤学習を積み重ねてきた生徒や、他者の感情理解に課題を持っている生徒の恋愛や性の悩みに上手く関われていないこと。
  • 自校の性教育が「寝た子を起こすな」式の消極的な取り組みに止まっていること。
  • 様々なトラブルが起こる中、事後的な対応では無く、日常的にもっとすべきことがあるのでは無いかと感じていること。

が挙げられます。

講演の要約とは異なるかも知れませんが、自分なりに受け止めたポイントを書いておきます。

  1. オランダにおける充実した性教育の根本には、「人権意識」や「自立した市民の育成」という理念がある。
  2. 移民・難民の流入によって様々な宗教的背景を持つ人々が増加する中、性意識についても多様性を尊重する姿勢がより一層求められている。性意識が一人ひとり異なることを認め、性的マイノリティの人権を尊重することも指針として定められている。
  3. 社会における性的なタブーの存在は、封建社会の支配体制と密接な繋がりを持っている。性の問題は、民主化や個人としての独立にも通じるテーマである。
  4. 人を好きになり性的な関係を築くことも、本来は人として「祝福すべきこと」である。そういった、性・生に対する肯定的な面をきちんと教えている。単に「してはいけないこと」「タブー」としては、性や人を好きになることが忌むべきことになってしまう。
  5. 幼い時期から、「自分が望まないことにノーと言うこと」を教えている。性被害から身を守る意味も有るが、自他の尊重や、自立して行動出来ることに重きを置いている。
  6. 思春期以前や小学生段階から具体的な避妊方法について教えることに目が行きがちだが、他国と比べて子どもたちが性交渉に至る年齢は早くは無い。
  7. 性教育をすすめる中では、ピアグループや、電話・チャットによる相談室、動画や絵本・ゲームを活用したゲーム教材を活用している。
  8. LGBTの子どもの約5分の1が自分の性的傾向を受け入れられない。自殺企図や自殺未遂も高い現実がある。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)

健全な人間関係

学校の世界には、「立哨指導」という言葉がある。

登校時、校門の前に教員が立っている光景を思い浮かべて貰えれば良い。

兵隊臭く管理主義的な響きは好きになれないが、私自身は出来るだけ時間を作って立つようにしている。

校則や生徒指導上の注意すべき点もある。

しかし、何よりもまず、生徒がどんな顔をして学校に来るかを見ることに意味があると思っている。

お互いの顔を見て挨拶をする。時に応じて、二言三言交わす。

その程度のことだ。

生徒同士の濃密な時間と比べたら、高校生にとって教員との挨拶など取るに足らないものだと思う。

しかし、2~3秒とは言え、これも人間関係の一つだ。

極端な話かも知れないが、健全な人間関係や安心な環境がある程度保障されていれば、学校で起こる多くの問題は未然に防ぐことが出来ると思う。

教員が生徒に目を向け、声を掛ける朝の時間も、そういった関係や環境を地道に築く一つの手段である。

勿論、忙しいことも有るし、全教職員が毎朝校門に立つ必要は無い。

ただ、時々でもやってみると、教員として得られるものが多いように感じます。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)

2019年の目標

少し遅くなりましたが、新年の目標をここに記しておきます。

その前に、少しだけ振り返りを。

2018年は、職場の正職員選考や授業力についての基本研修をクリアし、社内的なものとは言え、教員として仕事をしていく上での足場固めが出来た一年でした。

生徒に対しては、より深い学びへ繋ぐ為、振り返りの習慣化を目指したe-Portfolioづくりに着手。

また、新たに生徒指導・生活指導という仕事の一端を担うことになり、そのしんどさと可能性を感じることが出来た。

私的なことでは、2016年の夏に離婚をしてから2年以上経ち、これからのことを多少前向きに考えられるようにもなった。

少しずつですが、色んな歯車が上手く回り始めているような手応えが有ります。


【2019年の目標】

「卓越した教員になる」

自分のことだけじゃなく、組織の仕事をまわし、その腕で同僚を助けられる存在になる。

一人の人間として、生徒と良い人間関係を作る。また、生徒自身がそういった人間関係を作る力を育てる。

包括的生徒指導、PBIS、ブリーフカウンセリングの手法の実践。校内での展開。

現代社会の授業と進路指導、生活指導におけるe-Portfolioの活用事例を作る。他キャンパスへ発信出来るものにする。

2019年度中には、教育学の学士号と英語の教員免許を取得する。

始業時間の30分前には必ず自席に居る。今のバタバタした習慣を変える。

1日15分は英語の勉強を継続する。

校内or校外で小さな勉強会をしたい。まずは自分が参加する所からだが、常に発信出来る状態を作る。

生徒が辞めない学校を作る。

「疲れにくく、変化に反応できる体作り」

月4回は合気道の稽古を継続する。出来れば、この1~2年で初段になりたい。

月10㎞はリフレッシュの為に走る。

体重を72.5㎏にする。

「全てのベースとなる良い生活習慣」

だらだら夜更かしをしない。24:00にはスマホを置いて布団に入る。すべきことはそれまでに片付けるか、早起きしてやる。

毎週土曜日に15分の掃除と整理整頓タイムを持つ。

週3回程度は弁当を持参する。コンビニでの買い食いを減らす。

教育の仕事を通じて気づいたことを記録する為に、週1回はブログを書く。

週1回で良いので英語の短い日記を継続する。

「将来の為のお金の管理」

確定拠出年金とつみたてNISAを継続。

20万円は貯金する。

「プライベートの時間」

パートナーとの時間を大切にする。季節を感じる食事や外出を楽しむ。

月1回はバイクか自転車で出掛ける。心に遊びの部分を作る。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)

生活指導担当として作りたい環境

職場の高校における、生活指導担当としての役割を考えています。

自分の理解では、生徒が安心して学べる環境を作ること、様々な教育活動が機能し生徒が育つ為の風土やカルチャーを作ることだと思っています。

細かい施策を語る前に、そもそもどんな状態の学校を作りたいか。

組織としての数量的な目標は勿論有りますが、私が思い描く質的な理想は次のようなものです。


リビングスキル・ソーシャルスキル」

(学校が全てでは無いが)毎日朝から登校できる体力と習慣を身につける。

集団の中で過ごすことへの耐性を高める。

学習だけでなく、自身の性格や行動、日常生活についても振り返ることが習慣となっている。

対人的な小さな失敗や試行錯誤を通じて、人との適切な距離感を身につける。

適切な相手に、適切な方法で助けを求められる。

「価値観や他者への態度」

自分と違うキャラクターの人間を疎外・攻撃するので無く、それぞれの個性を受け入れられる。

人と比較しての優劣では無く、挑戦すること、前向きに努力すること自体を尊いと思える。

「マナーやパブリックスペースでの過ごし方」

好き嫌いや相手の社会的身分に関係なく、挨拶と丁寧な言葉遣いが出来る。

来校者に対して気持ちの良い挨拶が出来る。

自分の欲求だけでなく、「公共の福祉」と言う視点で考えられる。

パブリックスペースで床に座り込んだり、ものを食べながら歩くのは恥ずかしいことという認識を生徒が持っている。

「自分と周囲の為に気づき行動する習慣作り」

(掃除当番に関係なく)ゴミやキャンパスの汚れを、教職員と生徒が進んで綺麗にしている。

「マインド」

義務教育とは異なる学ぶ時間を持つ意味、社会から投入されているお金の重みを多少なりとも実感している。

保護者から一歩だけ自立する。

「ミッション」

学び成長することが自分と他者の為になること、将来社会の役に立つことを実感している。

自分が社会に何が提供できるかを少しだけ考えている。

「風土」

朝の登校時に、教員と生徒、生徒同士が気持ちの良い挨拶を交し合うことが日常風景になっている。

クラスの大半の生徒が、始業前の教室で各々の学習課題に取り組んでいる。

「どうせウチの学校は」と言う生徒はいない。(学校が最高の環境を目指し努力し続けており、かつ生徒が通信制高校に対して劣等感を持たない状態を作る。)

生徒が卒業時にこの学校で良かったと思える。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)