不注意によるミスやストレスを無くす生活面のルール

保険会社に勤務する妻は安全管理についての心得があるようで、家の中に危険や不便さを見出すと、改善策を考えるのがクセになっている。身近にいる者として、素直に凄いと思う。

なるほど、日常生活の中での失敗やストレスも、小さな工夫やルールで防げることは多い。

私自身、自分の不注意さを自覚しているつもりだが、それでも年に何回かは持ち物のことで失敗をする。特に、鍵や定期といった貴重品管理。出掛けに見つからないと、とても焦る。

(自己弁護をする訳では無いが、着ているシャツの胸ポケットの有無、季節の変わり目のジャケットの脱ぎ着、その他イレギュラーな出来事が起こった際に、「ついうっかり」をしてしまう。)

今のところは、様々試した結果「ICOCA定期券・電子マネー(楽天カード)は玄関のトレイに置く」「家の鍵は常時通勤用のリュックにぶら下げる」と言うルールで落ち着いている。

前述したような失敗を経験しているのは、私だけでは無いようだ。自分が教員として10代と関わる中でも、小さな躓きが原因で「登校する」という行動が難しくなってしまう生徒がいる。

一つ一つのミスは小さいように見えても、時間的・精神的余裕が無い中での行動は大きな危険を招いたり、自尊感情の低下や他者からのマイナス評価にも繋がったりもしかねない。

その背景には様々な理由があるので一括りに語ることは出来ないが、避けられるストレス要因は減らせた方が良い。

日常生活や物の管理上のルール、ちょっとした道具、アプリケーション等も含めると、改善の手法は無数にある。

良い工夫が有れば、是非教えて貰えればと思います。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)

定期と電子マネーは玄関のトレイに。家の鍵は私も妻もカバンに下げている。

支援が動き始める瞬間

今週一週間の仕事をしていて、

「今、このタイミングで面談が出来て本当に良かった。」

「一本の電話が相手に繋がり、声を聞くことが出来て良かった。」

と思えることがいくつかあった。

少しずつだが、支援が機能し始めた手応えを感じる。

ただ、冷静になって振り返ると、予想通りに進んだことばかりでは無い。

自分も教育者・支援者の端くれでは有るので、生徒の日々の様子や発達上の課題、家族の状況等にも注意を向けながら、「見立て」のようなものを持って仕事をしている。

ある程度正確な見立てが有り、生徒や保護者の方から信頼して頂ける関係性や協力体制が築ければ、支援はどんどん進む。

状況が大きく変わることや、新たな問題が発生することもしばしばだが、土台さえしっかりしていれば新たな機会に繋げられる。

しかし、実際には自分の見立てなど全く役に立たず、途方に暮れることも多い。

苦しい気持ちを抑えられず、唸りながら職員室内を行ったり来たりしてしまう。

そんなケースでも、細い糸を絶やさないようにアプローチを続ける中で、予想をしていなかった変化の兆しに触れられることも有る。

もう一手、もう一歩、もう一回と、こればっかりはやり続けてみないと分からない。

くじけず、機を引き寄せたいと思います。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)

苦手だから出来ないこと→苦手だけど出来ること

通信制高校で仕事をしていると、生徒から対人的な悩みを聞くことがしばしば有ります。

一例を挙げると、不登校を経験をして来た生徒にとって、ペアワークやグループワークが有る授業、すなわち複数の生徒とのコミュニケーションが発生し得る場は不安の種のようです。

ここから、具体的な解決策・代替案を提示していくのが教員の役割。

ただ、こういった訴えを聞いた時、まずははごくあっさりと

「そうなんや。」

と返答するようにしています。

最初は、否定も肯定もしません。

勿論、これだけでは折角の成長の機会を逸してしまいます。

相手との関係性やタイミングにもよりますが、少しずつ

「(他の人と接するのが)好きじゃなくても、まあまあ出来るようになるかも知れないで。」

「今は出来なくても、少しずつやればハタチぐらいには出来てるかも知れないよ。」

「一人が好きなのは全然良いけど、大勢とも居られる方が生き易いよ。」

というメッセージを伝えていきます。

損得が響く生徒であれば、

「コミュニケーション力を今のうちにつけておいた方が、大人になてからおトクやで。」

「単に知識が有るだけより、色んな人と関わる力があった方がお金になるよ。」

という話をします。

直ぐには変化に繋がらなくても、そうした積み重ねが半年後・一年後の成長に響いて来るのだと思います。

余談ですが、私自身中高生の頃は人と関ることに苦手意識しか無かったですが、10代の終わりに偶々教育の世界に惹きつけられ、訓練の結果多少変わりました。

得意かと聞かれたら分かりませんが、必要な話は出来るし、そういった力を寄せ集めて生徒と関わっています。

人間には向き不向きも有りますし、苦手なものを好きになる必要は有りません。

でも、自分は苦手だと思っていることでも、まあまあ出来るようになるかも知れない。

やってみることで、自分や他者に対して新しい発見が有るかも知れませんよ。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)

通信制高校に在籍する子どものレポートが進まないという悩みに対して出来ること

先日、ある親の会のグループワークにお邪魔した際、

「子どもが、学校のレポートを全然やらずに困っている。」

「親が言っても聞かない。」

という悩みを伺いました。

レポート、スクーリング、テストを三つの柱とする通信制高校において、自宅でのレポート学習は避けては通れないものです。

紙媒体、Eラーニング形式と形は様々ですが、これを期限内に終わらせることが出来ないと、単位習得が出来ず留年に繋がりかねません。

学校によってコースの特色や支援出来る内容は異なるかと思いますが、学習についての不安がある場合、入学前からどのようなサポートが可能かを相談して頂くのが良いかと思います。

私の場合、レポートの重要性を本人に繰り返し伝える、登校時に声を掛ける、保護者と定期的にやり取りをするのは勿論ですが、必要に応じて以下の3つの方法を取ることが多いです。


①レポートをする場所と時間を決める

行動の切り替えが苦手な特性を持っている生徒さんの場合、

「○日の○○時に登校して、2~3時間だけ勉強しよう。」

「授業の空き時間に、~のレポートをやろう。」

「授業が終わった後に、フリースペースで○○時までレポートをしよう。」

と言った促しをします。

普段、ゲームやアニメ、動画視聴等をしてリラックスする場である自宅で、気持ちを切り替えて勉強をするのは中々難しいものです。

そんな生徒には、自宅では無く学校でやることを提案します。

いくつかの選択肢を提示して選んで貰うと、結構納得してやってくれるように思います。

②横について部分的にサポートをする

一つ一つの言葉の意味に囚われ過ぎて進まないケースも有ります。

きちんと理解したいという思い強く、曖昧なのが許せなくて進まない場合、少し語弊は有るかも知れませんが、“いい加減”を覚えて貰うよう指導します。

教科書やレポートの内容を全て理解する必要は無いと伝えた上で、横について

「よっしゃ、解けた!」

「これは、深く考え過ぎると難しいから次行こう!」

というように、極力立ち止まらないように促します。

丁寧に勉強する生徒の姿勢を否定するつもりは有りませんが、〆切があるレポートの場合、時にはサクサク進めることも大切と言うメッセージを伝えます。

③生徒同士のつながりを活用する

教員からの直接的な声掛けより、周りの子を意識させることで頑張る生徒もいます。

例えば、その月のレポートをいち早く終わらせた生徒がいると、私は全力で褒めます。

そうすると、皆案外耳に入っているようで、自分も早く手をつけなきゃマズイかな、と思ってくれるようです。

あとは、生徒たちが自習する様子や、得意科目がある子が苦手な子に要点を教える様子を遠巻きに見守るだけです。


長くなりましたが、これらのサポートもずっと行う訳では有りません。

やり方のコツさえ掴んでしまえば、後は自分で出来るようになる生徒が殆んどです。

保護者の方からの言葉掛けも大切ですが、上手く教員や学校という場も活用して頂ければと思います。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)

主語と動詞の距離

長い話は、話すのも聞くのも苦手だ。
自分が視覚優位な傾向を持っているせいかも知れない。

昔から、抑揚豊かな女性に身ぶり手振りを交えて話されると、動作や音の高低に気をとられて聞き漏らしてしまう事が多い。
だから、耳からの指示が入りづらい生徒には、かなりシンパシーを感じる。

指示も一つの表現である以上、シンプルで分かりやすいものが好きだ。

その意味では、会社勤めをしていた頃にお世話になったチームリーダーの話し方が、自分にとっての理想である。

特徴をまとめると、次のようになる。

●新しいプロジェクトが始まる際は、その目的を短い言葉で示す。
●取り組むべき仕事の全体像(目次)を、目で見て分かる形で示す。
●指示・説明時のワンセンテンスが短い。主語と動詞の間に長々と単語を並べない。

こんなところだろうか。

機能的で、美しい。

入学式が無事終わり、新クラスでの活動がスタートして1週間目。
今は、ピカピカの1年生達に学校生活を送る上でのルールや、人間関係で気をつけるべき事を日々伝えています。
投げ掛けた言葉を上手くキャッチして貰えるよう、簡潔な話し方を心掛けて行きたいです。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)