周りの助け

教員一年目は、2年生のクラスを受け持った。

担任としての私は、ダメダメだったと思う。

生徒の心は上手く掴めず、学校での日々のルーティンにも慣れないし、ミスも多かった。

今だから言えるが、教室には「去年の〇〇先生はこうだったのに」「××先生のクラスの方が良かった…」と言う空気が漂っていて、何とかしようとして更に空回った。

沢山失敗をして、同学年の先生には数え切れない程助けて頂いた。自分が原因で生んでしまったクレームについて反省したことも多い。

生徒対応についてベテランの先生から注意を受けたことも一度や二度ではない。そんな中、時にエレベーター内で同僚が「あの場面(の生徒指導)は、水溪先生が正しかったと思いますよ」とそっと声を掛けてくれたことは、小さな自尊心への慰めとなった。

ここまでは思い出話。

クラス運営について思うのは、同僚の支えは勿論、実は「助けてくれる生徒」の存在がとてつもなく大きい。

今改めて職員室を見渡すと、自校の一年目の先生は皆、少しでも良い授業をする為に工夫をし、絶えず生徒を気に掛けている。

そんな教員側の思いを汲んでくれる生徒がクラスに何人かいるだけで、とても心強いものだ。

私にも、そんな風に支えてくれた生徒が何人か居る。今も居る。

別に、教員の言うことを聞く良い子になって欲しい訳でも、失敗を大目に見て欲しいという訳でも無い。

ただ、担任の思いや意図していることを、少し想像してくれるだけで良い。

是非、一緒にクラスのことを気に掛けて力を貸して欲しいです。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)

「もっと勉強しておけばよかった」という言葉

今の職場の教員になって、3年目になる。

一緒に入ってきた生徒たちも、もう最高学年。

将来を見据え、目の前のやるべきことに必死な顔で取り組んでいる者が多い。

こういう表情って、とても素敵だと思う。

勉強について。

学校の先生が口にするお説教で、

「今勉強しておかないと、いつか必ずもっと勉強すればよかったと後悔する日が来るよ。」

という文句があった。

自分自身の人生を思い浮かべてみると、悔しい思いをしたこと、痛い目にあったことは数限りなくある。

でも、この種の「後悔」は感じてこなかった。

きっと、人より愚かに出来ているからだと思う。

高校三年生の大学受験では、志望校の合格発表の掲示板を三度見返しても自分の番号は見つからなかった。

大学生の頃に福祉や教育の現場の門を叩いてからは、自分の力の無さを痛感するばかりだった。

大学院生の頃は、英語や数学と言った基礎学力、思考力の乏しさを感じ続けた。

社会人になってからも、そういった思いはずっと続いている。

勉強にせよコミュニケーション力にせよ、やはり高校生のうちに身につけるべきことは、可能な限りその時にマスターしておくに越したことは無い。

でも、自分がもしもう一度高校生の頃に戻れたとしても、きっと同じことを繰り返すと思う。

迷い、右往左往し、多くの時間を無目的に使ってしまうだろう。

数え切れないほど不甲斐ない思いをした結果、30歳を過ぎた今、将来の為にできる事を何とかやっている。

高校生の生徒たちに伝えたい結論。

今やるべきことから逃げていると、自分が求める目的地に辿り着くまで、余分に時間がかかる。

人間としての持ち時間は限られているから、もっと遠くまで行ける可能性を持っていたとしても、夢の途中までしか行けないかも知れない。

後になってからヒリヒリするような思いを味わう事になる。

大人になってから遅れを取り戻そうとするのは、結構大変です。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)

自分の席からは見えないもの

9月に入ってから、先輩教員に声を掛けて頂いて、キャリア教育やICTに関するプロジェクト会議に出席させて頂いた。

私の職場は、全国に拠点を持つ広域通信制高校なので、本部職員と各キャンパスの有志の教員が定期的に集まり、こうしたプログラムを作りあげている。

スケールメリットを活かした教育作りに取り組む先生方の様子を目の当たりにすると、自分の出来ていること、出来ていないことが良く分かる。

視点の高さ、と言っても良いかも知れない。

普段、職員室の椅子に座っていると、どうしても目の前の仕事や、自分のクラスの生徒ばかりに目がいってしまう。

勿論、一番は目の前の事だ。

しかし、自キャンパスに対しても、全国のキャンパスに対しても、もっと出来ることは有るんじゃないかという思いが湧いて来る。

この日声をかけて頂いたのは、会議の中で、googleフォームを活用した業務の効率化を提案することが目的。

キャリア授業の中では、単元ごとの理解度を測る為に紙のアンケートを頻繁にしているし、それをキャンパスごとで整理し、全国で共有するのはとても手間がかかる。

それを、WEBアンケートフォームを活用する事で各キャンパスの負担を減らし、情報共有、フィードバックを容易にしようというのが私の提案だ。

予め作って行ったサンプルを見せると、どの先生もすぐに狙いを理解して下さり、是非やろうという結論に。

この仕組みは、生徒の満足度調査にも使えるし、複数キャンパスを持つ学校だからこそよりメリットも際立ってくる。

教育の世界に飛び込んで2年目。

会社勤めをしていた際に教えて貰った考え方やツールが、色んな場面で役に立ってきそうです。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)

朝のセルフチェックの習慣化

今週で夏休みが終わり、8月末には生徒が揃って登校してくる。

職員休暇中は、身の回りの整理をしたり、身体を動かしたりして過ごした。

のんびりする時間が出来ると、

「3年間という限られた時間で、生徒をどこまで連れて行けるのか。」

「自分は教員としてどうなりたいのか。」

といったことぼんやり考える。

大きい問いなので、まだ上手くは答えられない。

ただ、目先のことに関して言うと、新学期は今一度、土台作りに力を入れたいと思う。

例えば、朝のSHRまでの過ごし方。

その一部を明文化すると下記のようになる。

学習の為の姿勢、聞く姿勢を自分で整えること。

人に言われてからするのではなくて、自分でチェックすることに意味がある。

地味なことかも知れないけど、まずはきちんとした習慣を作らないと、学んだことが積み上がっていかない。

良い3年間が過ごせるように、繰り返し伝えていきたいと思います。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)

 

始業までにすべきこと

何かを辞めるという決断

高校で仕事をしていると、生徒が学校を辞める場面に立ち会うことがある。

個々の事情は異なるので、一概に良い悪いは語れない。

ただ、自分の気持ちを正直に言うと、苦い思いが残ることの方が多い。

しかし、熟考した上での前向きな決断は、素直に応援したい。

何かを選び取る為に決めたのであれば、例え周りが否定的なことを言おうと、気にする必要はないと思う。

そもそも、何かを辞めたことが無い大人なんて殆んど居ないはずだ。

僕自身、仕事や大切な人との関係、自分の目標を省みても、沢山の「辞める」という選択を重ねて来ている。

自慢出来ることでは無いけど、どうにもならなくて諦めたことを含めると、それこそ失敗は数え切れない。

何にせよ、高校生のうちにやるべきことを継続しながら、自分の心に従って進んで欲しいと思います。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)