自分の眼鏡を通して見える像

新入生と一緒に学び始めて、2ヶ月が経とうとしている。

毎日生徒と接していると、自分の中に

「この子は、○○○な性格の子かな。」

という像が出来始める。

自分との関係性から、ある種の見立てをする訳だ。

でも、それが違っていることはよくある。

例えば、最終下校後の職員室で生徒名簿と写真を眺めていると、他学年の先生が

「この子は、×××の授業で積極的に取り組んでいましたよ。」

「この生徒は、とても前向きに頑張っていますよ!」

といった話をしてくれる。

然り!と思うこともあれば、自分の知らない一面に、素直に驚くこともある。

こういう話が出来るのは、教員として楽しい。

そうして、自分が持っているイメージは、あくまで自分の眼鏡を通して知っていることに過ぎないのだと思う。

同様のことは、生徒同士の人間関係でもある。

たかだか2ヶ月程度では、お互いどんな人間なのか本当の所は分からない。

安易なラベリングをせず、少しずつ人付き合いの輪を広げて貰えればと思います。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)

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小さな手応え

人の話を聴くのは難しい。

日々高校生と向き合っていてそう思う。

本当の意味で話が出来る関係はすぐには出来ないし、そもそも聴き手となる「私」の器が小さくては、メッセージを受けとる事も出来ない。

でも、時々ではあるけど、相手の本音や素顔が垣間見える瞬間がある。
面談や電話の受話器を通しての事もあるし、普段の何気無い表情を見てそう感じる事もある。

勿論、そういった瞬間が2・3度あった程度では、相手の悩みの総体は見えないし、すぐに何かが解決する訳でもない。

しかし、何かが伝わったという感触は自分の心に残る。

抽象的かも知れないけど、こうした小さな手応えを大切にして行きたいと思います。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)

友達づくり

高校の現場にいると、生徒の友達づきあいに関する悩みと直面する。

大人しい性格で、中々親しい友人がつくれない。

積極性はあるが、相手とトラブルを起こしてしまう。

一人一人の悩みは異なるが、大別するとこのどちらかであるように思う。

いずれのケースも、相手に応じた「適切な距離」「適切な関わり方」が獲得出来ていないという意味では、根は同じソーシャルスキルの問題と言える。

これらの悩みに対して何が出来るか。

必要なのは、生徒を焦らせない事だと思う。

友達を作る前に、まずはお互いに顔と名前が一致する「顔見知り」の関係を築く。

挨拶をし合うような相手が出来てから、半年、一年という単位の時間をかけて、少しずつ親しくなっていけば良い。

毎日のHRで繰り返し伝えていきたいし、生徒間のコミュニケーションを促すワークを通して後押しをしていこうと思います。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)