服装について

教師をしていると、人様の子どもの服装に日々注意をしなければいけないことがあります。

第一ボタンが取れている、ネクタイが下がっている、シャツの裾が出ているなど。

社会人になって5年目になるので、服装の大切さについて一通り理解はしているつもりですが、他人から服装についてとやかく言われるのは実に詰まらない事だと思います。

私自身は、前向きな気持ちさえあれば、Tシャツにジーンズでも構わないじゃないかという気持ちも有ります。

普段は簡素な服装でいて、勉強をする時は捻り鉢巻きで取り組み、興味の有ることに夢中になって挑戦する。

それでいて、パブリックな場所では、きちんとその場に相応しい振る舞いが出来る。
細かいルールで縛られるより、私自身はこんなあり方の方が好きです。

ただ、なかなかそうは出来ない。

少なくとも、自分が高校生の頃は自律した人間から程遠いものでした。

そういう意味では、高校生という時間のうちに、まずは「服装」というものを通じて自分をコントロールする練習をするのも悪くないように思います。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)

社会科教員としての宿題

いつも有り難うございます、水溪です。

先週から、生徒達は夏休み。

我々教職員は、学習心理や教科教育に関する研修受講の機会を頂いたり、次の学期に向けた準備をしてりして過ごしています。

この期間、自分自身は何をするか。

社会科教員としての自分の夏休みの宿題は、「安全保障関連法案についてきちんと生徒に伝えられるようになる事」だと思っています。

誤解を恐れずに言うと、この法案についての正しい答えは、現時点で私には良く分かりません。

日々ニュースの報道を見ていても、頭の中で判断を保留にし続けて来た所があります。

全体としての最適解は分かりませんが、

「日本国憲法制定の過程」

「平和主義の理想と可能性」

「主権の有り方」

「現在の周辺諸国でのリスク」

と言った一つ一つの要素については、生徒に示すことは出来るはずです。

そうして、一緒に考える機会を作ることが、高校の教員としての役割なのでは無いかと思います。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)

世界の何処かであったこと

いつも有り難うございます、水溪です。
先日、宮沢賢治著『虔十公園林』を読み返してみました。

私は、賢治の抽象的な詩は良くわかりませんし、自己犠牲的な作品も辛くて読めません。
ただ、淡々としたこの作品は不思議と何度も読んでいます。

『虔十公園林』を最初に手に取ったの小学生の頃。
大好きだった先生が学芸会の題目として選び、詩情溢れる劇として眼前に示して下さった事も影響しているのかも知れません。

大人になって改めて気づくのは、人物や景色の描写の見事さ。
物語の舞台や時代は私が今生きている現代とは違うはずなのに、あたかも現実に存在した情景のように感じられます。

子供たちの訪れない雨の降る杉林で佇む虔十の様子。
枝からしたたる水滴の美しさ。
そして、哀しみ。

本当に、世界の何処かであったことのように思います。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)

「発達障害だから」という言葉の続き

いつも有り難うございます、水溪です。
教育業界にいると、教職員が集まる場面で「あの子は発達障害だから。」という言葉を耳にすることがあります。
診断を受けている生徒や、特性を持っている生徒が話題に挙がっている訳です。
そんな時、続く情報や真意を聞き漏らさない為に耳をダンボのようにして待つのですが、話がそれで終わってしまう事が少なからずあります。
どうやら、「あの子は発達障害だから、○○が出来ない。」という事のみを意味しているようです。
余人ならともかく、教員が。

本来それに続く言葉は、
「あの子はこういう事を苦手としているから、教員側は△△な伝え方をすると良い。」
「今は○○は出来ないが、××な課題を与えてはどうか。」
といった前向きなものであるべきです。

ラベリングは容易ですが、貼り付けるだけでは時として害悪となります。
この言葉の続きにどんな答えを持ってくる事が出来るのか。
教員としての姿勢と腕が問われる所です。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)

「みんな仲良く」という言葉

いつも有り難うございます、水溪です。

広汎性発達障害のある方への支援を行うNPOの講演で、「みんな仲良く」という言葉が引き起こす負の結果について学んだ事があります。

幼少期に学校で「みんな仲良くすべき」という情報をインプットされ、それが出来ないばかりに成人になっても集団自体を避けてしまうケース。

障害の有無に関わらず、同じようなシーンは結構眼に浮かびます。

私自身も、人間関係で悩んでいる生徒に対しては、事情にもよりますが、

「全員と仲良くしなきゃいけない訳じゃ無いしね。」

「そもそも、友人関係を築こうと思ったら、一年単位で時間がかかることもあるよ。」

といった話をすることがあります。

高校の現場にいる者として付け加えるとしたら、

「全員と仲良くならなくても良いけど、軽々しく人の好き嫌いを言うのは良くない。」

「皆と気持ちの良い挨拶をする事は、学校や職場でとても大切なこと。」

「クラスの一員としてやらなければならない掃除はきちんとやる。」

といった事はあわせて伝えていきたいですね。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)