質問する力

教育・福祉業界コンサルタントの水溪です。

いつもお読み頂き有難うございます。

お蔭様で年末から複数のプロジェクトにアサイン頂き、介護事業の立ち上げや物流関連の調査と幅広い仕事をさせて頂いております。

企業様の特定の課題を解決する為に、一定期間に複数のコンサルタントが投入される船井総研のプロジェクト業務。

このプロジェクト業務では、社内の精鋭部隊に混じって仕事を進めることになります。

物凄く頭が良くて、お客様の課題を素早く理解して仕事を進める人たちを見ていると、一つの共通点があるように思います。

それは、相手によく質問すること。

決して知ったかぶりをしたりせず、分からないことはすぐに相手に聞くという習慣を持たれている方が多いようです。

もう少し「質問」を細かく見て見ると、大別して

1)コンサルタントとしての提案・仮説を検証する為の質問。

2)ビジネスモデルを理解する為の質問。

3)基礎的事項に関する質問。

の3つに分類されます。

優秀なコンサルほど質問の総量が多く、かつ上記の1)に近い質問を適切なタイミングで行っているように感じます。

頭は急には良くならない気はしますが、良い提案をする為の事前準備と、1)~3)の習慣作りは私も徹底していきたいと思います。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)

消費者との距離を近づける心遣い

学校法人・教育・福祉業界コンサルタントの水溪です。

いつもお読み頂き有難うございます。

先週、滋賀県・滋賀県社会就労事業振興センターさんが主催する、『おこしやす B.A.P 2013』というイベントにお邪魔してきました。

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同イベントは、「障害があってもなくても、地域で働き地域で暮らす」というビジョンのもとに、地域・企業・福祉事業所を結びつけることを意図した大規模な展示会。

各福祉作業所が食品や製造分野における商品・サービスを発信する事で、毎年数々のコラボレーションやマッチングが生まれているそうです。

今回見学させて頂いて特に感じたのは、

●「メーカー」としての力を研ぎ澄まし、かつ消費者の立場に立ったアプローチを徹底されている。

という点です。

どの施設さんも、所謂「福祉作業所」というポジションでは無く、メーカー、マーケッターとしての強いアイデンティティが表れていました。

これまで福祉の現場を支えてこられた方々と、日夜仕事に取り組むスタッフさんの力が結実した結果であるように思います。

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個人的にとても気になったのは、亀岡福祉会(かめおか作業所)さんの展示。

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雰囲気のあるブースに近づいてみると・・・

テイスティングスプーンに一口分のお米とお肉がのせられています。

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スタッフさんの説明によると、こちらはなんと、京都丹波地域のシカ肉を使った佃煮なんだそうです。

これはつい、気になって見ちゃいます。

商品の力を高めるだけでなく、消費者との距離を近づける為の心遣いが、こういった所にあらわれているように感じます。

その土地ならではの味というのも良いですよね。

私は実家が愛知なので、帰省の際は、関西土産として是非両親に買って帰りたいと思います。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)

療育の質と利益は必ずしも相反しない

学校法人・教育・福祉業界コンサルタントの水溪です。

いつもお読み頂き有難うございます。

障害のある児童生徒の居場所・療育の場である、放課後等デイサービス。

広汎性発達障害のある方と向き合う教育・福祉業界の中では、

●療育の質を高めるには、マンツーマンの指導が必要。

●マンツーマン指導⇒人件費増⇒良い支援をしようとすると利益は残り難い。

という認識があるように思います。

ある範囲においては正しいと思いますが、この思考が転じると

●現状のスタッフ数のもとで利用者を増やそうという経営上の努力は、療育の質の低下を招く行為である。

という誤解を現場から受けかねません。

(何を隠そう、私自身もどこかそういう気持ちを持っていました。)

しかし、本当に「療育の質」と「売上・利益」は両立出来ないトレードオフの関係にあるのでしょうか。

先日お話を伺ったある事業所では、体育や学習の要素を取り入れた付加価値の高い集団授業形式のプログラムを導入することで、一般的な放課後等デイ施設にくらべ、高い利益率を上げておられました。

この背景にあるのは、コスト削減意識では無く

●社会性やソーシャルスキルは集団の中で育んでいくものである。

という思いです。

すなわち、スタッフ数を必要以上に増やすのでは無く、優れたプログラムと人材育成を通じた指導力向上によって、療育の質と事業性の両立を実現されているのです。

勿論、マンツーマンの形態が求められるサポートもありますが、集団の中でも出来るもの、集団指導だからこそ出来ることがあることを学ばせて頂きました。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)

授産施設・作業所商品の営業時に準備したいアプローチブック

学校法人・教育・福祉業界コンサルタントの水溪です。

いつもお読み頂き有難うございます。

食品や雑貨の製造を行う福祉事業所にとって、企業の担当者さんとの出会いがある展示会は貴重な営業機会です。

自法人の商品に関心を持って貰い、その後の関係性を築けるかどうかで、新たな販路が生み出せるかが決まるといっても過言ではありません。

ただ、福祉サービス事業所で日々利用者の方と向き合う支援者さんの多くは、こういった営業は不得意とされる方が多いようです。

一生懸命作り手の気持ちを伝えようとしても、なかなか引き合い獲得に繋がらないというケースが多いと伺います。

私からご提案させて頂きたいのは、

●所謂営業トークが苦手ならば、無理に話そうとしないこと。

●予め、商品の魅力を伝える為のツールをきちんと準備すること。

●ツール作成の際は、商品を店頭に並べる小売店さんの気持ちをちょっとだけ想像してみること。

という3点です。

商品の魅力をまとめたアプローチブックを事前に作成し、顧客の関心に応じてページを示しながら話をする事で、口だけで説明するよりも効果的に伝えることが可能になります。

また、実際の売場でのディスプレイのイメージや販売実績といった情報を盛り込み、小売店・バイヤーさんにとってのメリットを感じさせることも重要です。

各施設の思いがこもった商品の魅力を伝える為にも、是非取り組んで頂きたいと思います。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)

買い物弱者支援を通じた商店街活性化の可能性

学校法人・教育・福祉業界コンサルタントの水溪です。

いつもお読み頂き有難うございます。

先日、社内の先輩コンサルタントから、神戸市の長田神社前地区における買い物弱者支援の取り組み事例を教えて貰いました。

(「買い物弱者」とは、地域で日常の買い物やサービス利用に困難を感じる人たちの事であり、高齢の方を中心に全国で約600万人いると言われています。)

本事業は、長田神社周辺の商店街や市場・商業施設の関係者が中心となって立ち上げたもので、利用者は商品カタログから選んだ品物を1回300円で自宅まで届けて貰うことが出来るサービスです。

ネットスーパーやスーパーの宅配サービスでは生鮮食品の配達は行っていないのが一般的であるのに対し、今回の事例は地域密着型かつ小商圏である事を活かし、お刺身などの生ものの配達も可能にしています。

兵庫県や神戸市の補助を受けてスタートしたこのプロジェクトは、本来の買い物弱者支援という役割に加え、商店街の活性化、高齢者の安否確認・地域での見守りといった効果も期待されるモデルです。

まだまだ一法人が実施するにはクリアすべき課題が多いビジネスモデルかも知れませんが、高齢者向けサービスや就労支援を行う事業所が取り組む事業としても、多くの可能性を感じます。

ゆるやかな地域のつながりを活かした事業とでも言うのでしょうか。

都市部でも進む高齢化に対する一つの解として、今後も注目したい事例です。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)