校内掲示物を活用した専門学校のキャリア教育事例

学校法人・教育業界コンサルタントの水溪です。

いつもお読み頂き有難うございます。

船井総合研究所に入社して3年目になります。

自分が日々周囲の方々にご指導頂いて来た事から考えると、社会人になるというのは、

●これまで自分が育ってきた小さな世界で身に着けた思考パターンではなく、社会の中で仕事をしていく為に必要な価値基準と習慣を身に着けること。

であると認識しています。

こうした「価値観の転換」を求められているのは、就職活動に入る専門学校生や大学生の方も共通するものがあるかと思います。

私が過去に訪問させて頂いた文化・教養関係の学科を持つ関西の専修学校さまでは、就職課の窓口脇の掲示板いっぱいに、就職活動をする上で必要な心構えが貼られていました。

大きな文字で所狭しと掲示されているのは、就職の意義や、各業界の募集の慣習、履歴書を書く上での原則といったもの。

中には、

●「会社訪問の前には必ず所在地を下見する事!」

●「面接試験の最後には必ず質問をする事!」

という大変具体的なアドバイスもありました。

全体を通じたメッセージは、「授業を受ける側の受身の存在としての学生」から、「能動的に行動する社会人」への移行を促している点です。

あくまで想像ですが、この学校の先生方は、授業やその他の指導の場面でも、上記のメッセージを繰り返し繰り返し伝えられているのでは無いでしょうか。

先ほどの「大事な約束の前にはきちんと下見をする」という言葉も、この習慣を持っているかどうかで、試験や面接といった勝負時に発揮する力も違ってくるように感じます。

もっと言うと、その後の仕事や人生までも変わるかもしれません。

校内掲示物も、日々の指導と連動させる事で、キャリア教育・就職支援を行う上で大きな効果が期待出来ます。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)

職業能力開発大学校という選択

学校法人・教育業界コンサルタントの水溪です。

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春分が近づき暖かさを感じる中、全国では卒業式が行われている時期かと思います。

そんな中、3月中旬のニュースで『この春卒業予定の高校生の就職率が、今年1月時点で88.3%になった』という厚生労働省発表の数字を目にしました。

この数値は3年連続で改善はしていますが、リーマンショック前である平成20年の-1.1ポイント水準であり、就職を希望する高校生17万人のうち、2万人余りが就職が決まっていない状況になります。

一定の改善は見られるものの、高校を卒業後すぐに仕事繋がるのは依然容易ではありません。

では、高校卒業予定者が仕事に関する知識・技能を習得したいと考えた場合、どのような社会資源があるのでしょうか。

その答えの一つに、『職業能力開発大学校』を利用する、という選択肢があります。

職業能力開発大学校は、高度な知識と技能・技術を兼ね備えた実践技能者の育成を目的とした厚生労働省所管の職業訓練施設で、学費も他の進路に比べて安価な場合が一般的です。

私が住んでいます近畿圏では、下記の4施設が置かれており、電子情報技術科や生産技術科、住環境科、流通・物流に関するコースが設けられています。

近畿職業能力開発大学校

附属滋賀職業能力開発短期大学校

附属京都職業能力開発短期大学校

港湾職業能力開発短期大学校神戸校

学校によっては、ものづくりの魅力や楽しさを伝える為の「出前授業」を実施し、出前授業のメニューを公表しているHPもあります。(http://www3.jeed.or.jp/osaka/college/highschool/index.html

高校1・2年生の段階で、進路を考える機会としてこれらのサービスを活用するのも、キャリア教育上有効な施策と言えるでしょう。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)