友達づくり

高校の現場にいると、生徒の友達づきあいに関する悩みと直面する。

大人しい性格で、中々親しい友人がつくれない。

積極性はあるが、相手とトラブルを起こしてしまう。

一人一人の悩みは異なるが、大別するとこのどちらかであるように思う。

いずれのケースも、相手に応じた「適切な距離」「適切な関わり方」が獲得出来ていないという意味では、根は同じソーシャルスキルの問題と言える。

これらの悩みに対して何が出来るか。

必要なのは、生徒を焦らせない事だと思う。

友達を作る前に、まずはお互いに顔と名前が一致する「顔見知り」の関係を築く。

挨拶をし合うような相手が出来てから、半年、一年という単位の時間をかけて、少しずつ親しくなっていけば良い。

毎日のHRで繰り返し伝えていきたいし、生徒間のコミュニケーションを促すワークを通して後押しをしていこうと思います。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)

「みんな仲良く」という言葉

いつも有り難うございます、水溪です。

広汎性発達障害のある方への支援を行うNPOの講演で、「みんな仲良く」という言葉が引き起こす負の結果について学んだ事があります。

幼少期に学校で「みんな仲良くすべき」という情報をインプットされ、それが出来ないばかりに成人になっても集団自体を避けてしまうケース。

障害の有無に関わらず、同じようなシーンは結構眼に浮かびます。

私自身も、人間関係で悩んでいる生徒に対しては、事情にもよりますが、

「全員と仲良くしなきゃいけない訳じゃ無いしね。」

「そもそも、友人関係を築こうと思ったら、一年単位で時間がかかることもあるよ。」

といった話をすることがあります。

高校の現場にいる者として付け加えるとしたら、

「全員と仲良くならなくても良いけど、軽々しく人の好き嫌いを言うのは良くない。」

「皆と気持ちの良い挨拶をする事は、学校や職場でとても大切なこと。」

「クラスの一員としてやらなければならない掃除はきちんとやる。」

といった事はあわせて伝えていきたいですね。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)

放課後等デイサービスにおける支援の質の二極化

学校法人・教育業界コンサルタントの水溪です。

いつもお読み頂き有難うございます。

就学中の障害のある児童に対し、放課後や学校休業日に療育の場を提供する放課後等デイサービス。

全国的にはまだまだ整備が遅れている地域が多数存在するものの、260万人以上の人口を擁する大阪市は比較的環境が整っていると言われるエリアです。

選択肢が多いのは喜ばしいことですが、お会いする近畿圏の経営者さまの中では、新規参入に伴い事業所間で生じた支援の質のばらつきが問題視されるようになっています。

事実、大阪市福祉局が平成24年7月に行った調査でも、発達障害児を受け入れている69事業所のうち、

●視覚支援を行っている事業所:61%

●感覚統合に関するプログラムを取り入れている事業所:30%

●PECSや絵カード・マカトンなどのコミュニケーション支援を行っている事業所:46%

となっており、発達障害児に有効とされるこれらの手法を導入していない事業所が5割前後も存在することが指摘されています。

つまり、独自のプログラムの導入以前に、療育の基盤となる支援技法だけでも、既にこれだけの差が生まれているのです。

療育の場としてでは無く「預かり」を目的とする施設も一つの在り方かも知れませんが、これらの技法の整備無くしては、安心・安全な環境の提供もままならない恐れがあります。

よりよい放課後活動を提供し、療育の場・ソーシャルスキル獲得の場を保障する為に、是非とも正面から取り組んでいきたいテーマだと感じます。

参考:大阪市福祉局障害者施策部障害福祉課『放課後等デイサービス事業所における発達障がい児支援の現状

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)

全日制・定時制の枠組みを超えた高校

学校法人・教育業界コンサルタントの水溪です。

いつもお読み頂き有難うございます。

「定時制」と聞くと、私は山田洋次監督の『学校』(1993)という映画を思い出します。

定時制課程は歴史的に、中学校卒業後に勤務に従事するなど様々な理由で全日制高校に進学出来ない青少年に対し、高等教育の機会を提供する役割を果たして来ました。

近年は、全日制課程からの編・転入学と言った形で多様な入学動機を持った生徒が集まることから、その役割にも変化が見られます。

平成27年度開校を目指して進められている「京都フレックス学園構想」も、その流れを汲んだ計画です。

京都府の計画では、柔軟な単位制システムをベースとし、実習・体験型科目の充実、ソーシャルスキルトレーニング、ICTの導入、外部機関の人的資源・施設を活用した授業の実施などが盛り込まれています。

また、就労や自立支援の為プログラムも用意されており、発達障害のある生徒や不登校経験者へのサポートを行う学校としての役割も期待されています。

個人的に思うのは、後は「誰が」「どういうマインドで向き合うか」というヒトの部分でしょうか。

この先生達とだったら勉強を頑張ってみたいと思える関係性も、教育環境を考える上でとても大きい要素だと思います。

開校までまだ若干の期間があるので今後どうなるのかは未知数ですが、公教育も時代の要請を受け、全日制・定時制の枠組みを越えて確実にその姿を変化させています。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)

HPを活用した放課後等デイサービスの独自色の発信

学校法人・教育業界コンサルタントの水溪です。

いつもお読み頂き有難うございます。

「放課後等デイサービス」は障害児通所支援の一つであり、就学中の障害のある子どもの生活能力向上の為の訓練や、社会との交流の促進を意図するものです。

規制緩和のもとで福祉業界内外からの参入が続く中、WEBを通じて自社のサービス内容を積極的に発信する法人も現れて来ています。

情報の発信力の度合いを、ここでは大きく3つのレベルに分けて見てみましょう。

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【レベル1】HPを作っている

マーケティングのポイントは意識していないが、とりあえずホームページを用意している法人がこれに当たります。営業時間、定員、サービスの概要、アクセスといった基本情報は掲示しているが、それ以上の情報は不足した状態です。

【レベル2】自社の魅力・情報を余す事無くHPに盛り込んでいる

レベル1で盛り込めていなかった、ソーシャルスキルトレーニングの重要性の訴求や、サービスの良さ、安心感を伝える工夫、実際に問合せをして貰う為の工夫等がこれに当たります。

【レベル3】独自の魅力・サービスをHPで積極的に発信している

他の施設と比べた独自性のあるコンテンツがこれに当たります。例えば、年齢別のコース分け、オリジナルの教育プログラム、アートやスポーツに関するコンテンツ等もその一つです。

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ホームページの活用は、検索エンジン上で福祉サービスを検索している見込み客の獲得だけでなく、その他媒体や口コミによって自施設を知った保護者が、より施設を知るための窓口としての役割も果たします。

安定的な顧客獲得の為に、また高品質なサービスを永続的に提供し続ける為に、是非注力して頂きたい施策です。

もし、「何から手をつけたら良いかわからない」「アピールポイントってどこだろう」と言うお悩みをお持ちの方がいらっしゃいましたら、お気軽にご相談頂ければと思います。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)