自分の行動をコントロールする知性

「すごい!」と思わず叫んでしまった。生徒が開けたロッカーの内側に、こんな掲示物が貼ってあったからだ。許可を得て写真を撮らせて貰った。

自校では、南京錠やダイヤルロックで施錠出来るロッカーが一人一台あり、教科書や貴重品の管理に使用している。

事情を聞くと、この生徒は前者のタイプの鍵を使っていて、過去に中にキーを入れたまま施錠してしまったことがあるそうだ。そうして自ら考え出したのが、この方法。

自分の失敗や傾向をきちんと把握して、良い方向にコントロールしようという知性にとても感動した。

私自身がこうした工夫を知ったのは大学生の頃「視覚構造化」という言葉を学んでからだったし、広く実践されている場を見たのは会社員として工場や物流拠点を訪れた時だった。

何が言いたいかというと、彼は10代の頃から自分を変える為の知恵を知っていて、誰に言われるでも無くそれを実践している。

きっと将来、僕には思いもつかないような仕事や豊かな人生を実現してくれそうな気がします。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)

モノの管理のストレスを無くす

私が勤務している高校では、英数国の3科目で習熟度別の授業が行われている。
自ずから、教室移動が多くなる。
筆記具と教科書・ノート、単語帳やプリント類を持って、休み時間毎に異なる教室に移動する訳だ。

生徒の中には、きちんと物の管理をする習慣がついておらず、ホームルーム教室に必要な教材の一部を忘れてきてしまう者も見られる。

僕もこういった事が得意では無いので、気持ちは分からないでも無い。
でも、はっきり言って時間が勿体無いし、何度も繰り返していては周りの人への迷惑になってしまう。

一方で、ちょっとした工夫によって、ストレス無く学校生活を送っている生徒もいる。

ある生徒は、ファスナー付きファイルケースを主要科目分用意して、それに必要教材一式を入れていた。

成る程、この方法なら物も無くならないし、ケースを小脇に抱えて行けば、1時間目、2時間目、3時間目という移動もらくちんだ。

些細な事かも知れないけど、こういった工夫は合理的で美しい。
アイディア一つで、感じなくてよいストレスをクリア出来る。

是非、他の子にもすすめてみたいと思います。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)