友達づくり

高校の現場にいると、生徒の友達づきあいに関する悩みと直面する。

大人しい性格で、中々親しい友人がつくれない。

積極性はあるが、相手とトラブルを起こしてしまう。

一人一人の悩みは異なるが、大別するとこのどちらかであるように思う。

いずれのケースも、相手に応じた「適切な距離」「適切な関わり方」が獲得出来ていないという意味では、根は同じソーシャルスキルの問題と言える。

これらの悩みに対して何が出来るか。

必要なのは、生徒を焦らせない事だと思う。

友達を作る前に、まずはお互いに顔と名前が一致する「顔見知り」の関係を築く。

挨拶をし合うような相手が出来てから、半年、一年という単位の時間をかけて、少しずつ親しくなっていけば良い。

毎日のHRで繰り返し伝えていきたいし、生徒間のコミュニケーションを促すワークを通して後押しをしていこうと思います。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)

「発達障害だから」という言葉の続き

いつも有り難うございます、水溪です。
教育業界にいると、教職員が集まる場面で「あの子は発達障害だから。」という言葉を耳にすることがあります。
診断を受けている生徒や、特性を持っている生徒が話題に挙がっている訳です。
そんな時、続く情報や真意を聞き漏らさない為に耳をダンボのようにして待つのですが、話がそれで終わってしまう事が少なからずあります。
どうやら、「あの子は発達障害だから、○○が出来ない。」という事のみを意味しているようです。
余人ならともかく、教員が。

本来それに続く言葉は、
「あの子はこういう事を苦手としているから、教員側は△△な伝え方をすると良い。」
「今は○○は出来ないが、××な課題を与えてはどうか。」
といった前向きなものであるべきです。

ラベリングは容易ですが、貼り付けるだけでは時として害悪となります。
この言葉の続きにどんな答えを持ってくる事が出来るのか。
教員としての姿勢と腕が問われる所です。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)

「みんな仲良く」という言葉

いつも有り難うございます、水溪です。

広汎性発達障害のある方への支援を行うNPOの講演で、「みんな仲良く」という言葉が引き起こす負の結果について学んだ事があります。

幼少期に学校で「みんな仲良くすべき」という情報をインプットされ、それが出来ないばかりに成人になっても集団自体を避けてしまうケース。

障害の有無に関わらず、同じようなシーンは結構眼に浮かびます。

私自身も、人間関係で悩んでいる生徒に対しては、事情にもよりますが、

「全員と仲良くしなきゃいけない訳じゃ無いしね。」

「そもそも、友人関係を築こうと思ったら、一年単位で時間がかかることもあるよ。」

といった話をすることがあります。

高校の現場にいる者として付け加えるとしたら、

「全員と仲良くならなくても良いけど、軽々しく人の好き嫌いを言うのは良くない。」

「皆と気持ちの良い挨拶をする事は、学校や職場でとても大切なこと。」

「クラスの一員としてやらなければならない掃除はきちんとやる。」

といった事はあわせて伝えていきたいですね。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)

障害特性による苦手を解決するPDCA

いつも有難うございます、水溪です。

先日、NPO法人ノンラベル主催「自閉症スペクトラム障害支援者養成講座」にて、ASD当事者として知られるしーたさんの講演を聴講させて頂きました。

しーたさんのプロフィールと活動、著書に関しては下記のサイトで詳しく知る事が出来ます。

⇒しーたさんブログ(http://ameblo.jp/asupe-san/

今回の講演で特に感銘を受けたのは、氏が自身の障害特性による苦手を解決する為に実践されているPDCAサイクルの話題。

ビジネスの現場における業務改善の為のフレームワークとして知られるPDCAですが、療育に落とし込む上でポイントとなるのは、苦手なこと(課題)の難易度を見極めることにあります。

(一口に「苦手」と言っても、これまで殆ど出来たことが無いような難易度が高いものから、出来たり出来なかったりするようなものまで、難易度にも幅があります。まずは、比較的ハードルが低いものから克服していく事が鉄則です。)

難易度が比較的低く今取り組むべき課題を明らかにした後に、タスクが上手く出来るとき・出来ないときの違いの分析の実施、環境調整、実行、評価、改善を繰り返して行く事で、少しずつですが仕事や日常生活上の困難をクリアしていくことが可能になります。

言葉で言うのは簡単ですが、とても知的で、根気が求められる作業ですよね。

何よりも、前向きに取り組み続ける姿勢が欠かせない事を学んだ講演でした。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)

放課後等デイ事業への営利企業参入の是非

教育・福祉業界コンサルタントの水溪です。

いつもお読み頂き有難うございます。

平成24年4月1日の児童福祉法の一部改正によって現在の形となった放課後等デイサービスですが、比較的参入障壁が少ない業態である為、エリアによっては順調に事業所数が伸びている地域も見られます。

実際、関東のある政令指定都市の担当者さまは、2013年4月に約30件だった事業所数が、現在50件以上にまで増加していると仰っていました。

このエリアに関しては待機者数も多く療育サービスに対する需要が超過している為、まだまだ受け皿増につながる参入は望ましい事と言えます。

ただ、地域によっては利益を目的に企業が安易な気持ちで参入し、サービスの質の低下、ひいては廃業同然の経営を行っているというケースがあるのも事実です。

そういった環境に一時的にでもおかれる利用者さん・保護者の方の気持ちを考えると、これは療育機会上の損失とも言えます。

福祉関係者の中では、企業の障害福祉サービスへの参入そのものを疑問視する方もおられるかもしれません。

しかし、私はそれは誤解だと思います。

障害福祉市場全体を考えると、より良いサービスを提供する意思と資源を持った企業が参入し、利用者が複数の中から選択出来る世の中は、私は基本的に正しいと考えるからです。

現在お付き合いをさせて頂いている企業さまも、生徒の成長を促す教育サービスを提供する中で発達障害というテーマと出会い、放課後等デイという形に辿りついたそうです。

こうした、高い倫理観を持った経営者さまが自助努力によって質の高い療育を行う為の工夫を行い、結果的に高い利益を上げられる環境は私はあるべき姿だと思っています。

換言すれば、障害のある児童生徒の将来に関わる気持ちがあり、市場のニーズを理解した上で正当に収益を上げていこうとする事業体が求められているマーケットと言っても過言ではありません。

是非、同じ価値観を共有出来る経営者様と一緒に何か出来ればと思います。

~追記~

勿論、福祉業界の課題の全てが競争で解決されれば良いとは考えていません。

例えば、一般に認知されていない障害に対する支援や、マンツーマンで無ければ命に関わるもの、個人での利用費負担が難しくかつ収益も上がりにくい分野もあります。

そういった福祉分野は、政策によって安定的な受給が保障されるべき領域であると思います。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)