HPを活用した放課後等デイサービスの独自色の発信

学校法人・教育業界コンサルタントの水溪です。

いつもお読み頂き有難うございます。

「放課後等デイサービス」は障害児通所支援の一つであり、就学中の障害のある子どもの生活能力向上の為の訓練や、社会との交流の促進を意図するものです。

規制緩和のもとで福祉業界内外からの参入が続く中、WEBを通じて自社のサービス内容を積極的に発信する法人も現れて来ています。

情報の発信力の度合いを、ここでは大きく3つのレベルに分けて見てみましょう。

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【レベル1】HPを作っている

マーケティングのポイントは意識していないが、とりあえずホームページを用意している法人がこれに当たります。営業時間、定員、サービスの概要、アクセスといった基本情報は掲示しているが、それ以上の情報は不足した状態です。

【レベル2】自社の魅力・情報を余す事無くHPに盛り込んでいる

レベル1で盛り込めていなかった、ソーシャルスキルトレーニングの重要性の訴求や、サービスの良さ、安心感を伝える工夫、実際に問合せをして貰う為の工夫等がこれに当たります。

【レベル3】独自の魅力・サービスをHPで積極的に発信している

他の施設と比べた独自性のあるコンテンツがこれに当たります。例えば、年齢別のコース分け、オリジナルの教育プログラム、アートやスポーツに関するコンテンツ等もその一つです。

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ホームページの活用は、検索エンジン上で福祉サービスを検索している見込み客の獲得だけでなく、その他媒体や口コミによって自施設を知った保護者が、より施設を知るための窓口としての役割も果たします。

安定的な顧客獲得の為に、また高品質なサービスを永続的に提供し続ける為に、是非注力して頂きたい施策です。

もし、「何から手をつけたら良いかわからない」「アピールポイントってどこだろう」と言うお悩みをお持ちの方がいらっしゃいましたら、お気軽にご相談頂ければと思います。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)

価値は伝えられる事を待っている

学校法人・教育業界コンサルタントの水溪です。

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愚かしい事を言うようですが、私は元々「広告宣伝」という言葉が余り好きではありませんでした。

虚栄心とでも言うのでしょうか。

実際以上に自分を大きく見せようとする行為や、自らの魅力を過剰に喧伝する姿には、どこか抵抗を感じていました。

私の父が、『商い』に疎い地方の高校教師だった事も関係しているのかも知れません。

どちらかと言うと、教育や福祉の現場で、日々目の前の人と真摯に向き合っておられる教育者・援助者の方の姿に尊敬の念を感じます。

ただ、曲がりなりにも経営コンサルタントとして仕事をさせて頂くようになってから、考えも少しずつ変化して来ました。

すなわち、

●仮にどれだけ素晴らしい教育活動やサービスを提供していても、それを本当に求めている人に届ける事が出来なければ意味が無い。

●また、教育や支援を提供し続けるには、まず組織体として存続しなければならない。

という事です。

お客様や現場の先生方と直接お会いするにつれて、身をもってそれを感じます。

教育は、他の財・サービスと異なり購買頻度が低く、一生を決めるものと言っても過言ではありません。

それ故、他の業界以上に、自校に関する質の高い情報を、必要としている人に届ける事が求められます。

外からは見えない学校の魅力や役割、現場の先生方の思いなど、伝えたい事は沢山あります。

こういった魅力は認識し難いものですし、普段の先生方の教育活動もなかなか表には出てきません。

しかし、これらの価値は伝えられる事を待っています。

コンサルタントとして、その橋渡しをする力をつけたいと思います。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)

広域通信制高校が取り組む放課後等デイサービス事業

学校法人・教育業界コンサルタントの水溪です。

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障害のある子どもが、放課後や学校の休業日に利用出来る社会資源に「放課後等デイサービス」があります。

本サービスは、平成24年の児童福祉法一部改正に伴って整備された障害児通所支援の一つであり、就学中の障害児の生活能力向上の為の訓練や、社会との交流の促進を行う事業です。

利用に際して必ずしも手帳は必要では無く、地域の相談センターや医師等によって療育の必要性が認められれば、原則1割負担で利用が可能です。

ニーズの高まりに対して厚生労働省も規制緩和について言及する中、福祉業界以外からの参入事例も生まれています。

広域通信制高校を運営する株式会社代々木高等学校が設立した「よよこ~クラブ」(http://4450club.jimdo.com/)もその一例です。

同施設は、学童保育になじみ難い発達障害のある児童・生徒へ居場所を提供すると共に、代々木高等学院保育福祉コース生の研修の場としても機能しています。

勿論、療育の場としての品質を維持する為には優秀なスタッフの育成が大前提となりますが、地域資源と学校を繋ぐ連携の要として、また、次の教育段階へ移行しても継続的な支援を可能にする主体としての意義は非常に大きなものです。

マーケティングの観点から見ても、自校の教育部門の認知度の向上や、入学者予備群との関係を構築する効果が期待出来る、非常にチャレンジングな取り組みと言えます。

放課後等デイサービス事業には、本事例以外にも、既存事業との相乗効果を創り出す可能性がまだまだ眠っているはずです。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)

発達をサポートするという視点

学校法人・教育業界コンサルタントの水溪です。

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土曜日の日中はお休みを頂いて、特定非営利活動法人ノンラベル主催の『アスペルガー支援者養成講座』に行って来ました。

(「発達障害」というキーワードは、学生時代に不登校や中途退学について学ぶ中で出会い、今も個人的なテーマの一つになっています。)

今回は、ゲスト講師として、

●『30歳からの社会人デビュー―アスペルガーの私、青春のトンネルを抜けてつかんだ未来』(花風社)

の著者である藤家寛子さんをお招きし、後半にはニキ・リンコさん、花風社の浅見淳子さんとの対談まで伺うことが出来ました。

正確な内容は、花風社さんが出版されている書籍をお読み頂くのが一番かと思いますが、自分なりに咀嚼してのみ込んだポイントは、

①社会で生きていくには、(障害の有無に関わらず)強くならなければならない。

②支援者は、「世の中は障害の事を分かってくれない・・・。」というような誤った社会観を植えつけてはいけない。

③社会で生きていくのは、実は結構楽しいし、それによって楽になることもある。

という三点です。

シンプルですが、非常に重みのある言葉です。

この①~③をよくよく吟味すると、詰まるところ、

●人生の初期段階で、どんな支援者(保護者・学校の先生・ワーカー・ドクターなど)と出会うか。

がかなり大事な要素になってくるように感じます。

すなわち、その支援者のもとで、自己の課題を適切に理解し、体力やソーシャルスキルを身につけ、未来に対する前向きな期待を養っていく事がとても重要だということです。

これらは、我々が担う教育の仕事の本質を示しています。

知識や技術を習得させるのも学校やスクール業の大切な役割ですが、「生徒の発達をサポートする」という役割を再認識する事で、これまで以上にサービスに幅と深みが生まれてくるはずです。

実際にこれらの課題に取り組まれている学校さまについては、また別の機会にご紹介していきたいと思います。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)

ギフトショーで見たデザインの力

学校法人・教育業界コンサルタントの水溪です。

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昨日は、お付き合いのある社会福祉法人さまのブースへお邪魔する為に、

『第49回大阪インターナショナル・ギフト・ショー春2013』

へ行って参りました。

(今回の出展計画は、兵庫セルプセンターさんが中心になって進められたもので、関西圏で選ばれた作業所をはじめとした複数の団体が、アクセサリーや雑貨、菓子と言った商品の展示をされていました。)

展示を拝見してまず感じたのは、そのデザインのレベルの高さです。

ただ売るのでは無く、商品を使用するシーンや、背景にあるストーリーまで意識されている事が伝わってくるものでした。

ここで、私なりに「良いデザイン」定義すると、

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1.【誰に伝えるのか?】・・・対象の選定

2.【何を伝えるのか?】・・・顧客が享受する価値

3.【何をもって伝えるのか?】・・・媒体の選択

4.【より伝わるようにするには?】・・・価値の伝達レベルの向上・美的な効果の追求

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という4つの問いへの答えが明確で、一貫性がある状態、と言えるかと思います。

これらの点が熟考されている商品には、真っ直ぐに相手の心に届く力があります。

それと、もう一つ感じたのは、今回出展された作業所の殆どが「障害」「福祉」というキーワードを前面には押し出していなかったことです。

売り方に必ずしも正解・不正解がある訳ではありませんが、「お客さんにとっての商品の価値」を追求された顕れ、というように私は受け取りました。

それにしても、商品の価値の伝え方次第で、消費者との関係がこんなにも近づくものなんですね。

デザインが持つ力に、胸が高鳴る思いでした。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)