「みんな仲良く」という言葉

いつも有り難うございます、水溪です。

広汎性発達障害のある方への支援を行うNPOの講演で、「みんな仲良く」という言葉が引き起こす負の結果について学んだ事があります。

幼少期に学校で「みんな仲良くすべき」という情報をインプットされ、それが出来ないばかりに成人になっても集団自体を避けてしまうケース。

障害の有無に関わらず、同じようなシーンは結構眼に浮かびます。

私自身も、人間関係で悩んでいる生徒に対しては、事情にもよりますが、

「全員と仲良くしなきゃいけない訳じゃ無いしね。」

「そもそも、友人関係を築こうと思ったら、一年単位で時間がかかることもあるよ。」

といった話をすることがあります。

高校の現場にいる者として付け加えるとしたら、

「全員と仲良くならなくても良いけど、軽々しく人の好き嫌いを言うのは良くない。」

「皆と気持ちの良い挨拶をする事は、学校や職場でとても大切なこと。」

「クラスの一員としてやらなければならない掃除はきちんとやる。」

といった事はあわせて伝えていきたいですね。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)

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障害特性による苦手を解決するPDCA

いつも有難うございます、水溪です。

先日、NPO法人ノンラベル主催「自閉症スペクトラム障害支援者養成講座」にて、ASD当事者として知られるしーたさんの講演を聴講させて頂きました。

しーたさんのプロフィールと活動、著書に関しては下記のサイトで詳しく知る事が出来ます。

⇒しーたさんブログ(http://ameblo.jp/asupe-san/

今回の講演で特に感銘を受けたのは、氏が自身の障害特性による苦手を解決する為に実践されているPDCAサイクルの話題。

ビジネスの現場における業務改善の為のフレームワークとして知られるPDCAですが、療育に落とし込む上でポイントとなるのは、苦手なこと(課題)の難易度を見極めることにあります。

(一口に「苦手」と言っても、これまで殆ど出来たことが無いような難易度が高いものから、出来たり出来なかったりするようなものまで、難易度にも幅があります。まずは、比較的ハードルが低いものから克服していく事が鉄則です。)

難易度が比較的低く今取り組むべき課題を明らかにした後に、タスクが上手く出来るとき・出来ないときの違いの分析の実施、環境調整、実行、評価、改善を繰り返して行く事で、少しずつですが仕事や日常生活上の困難をクリアしていくことが可能になります。

言葉で言うのは簡単ですが、とても知的で、根気が求められる作業ですよね。

何よりも、前向きに取り組み続ける姿勢が欠かせない事を学んだ講演でした。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)

「得意を活かせる役割」と「苦手を補う仕組み」

学校法人・教育・福祉業界コンサルタントの水溪です。

いつもお読み頂き有難うございます。

先日、社会就労センター・小規模作業所の支援を行う兵庫セルプさんにご案内頂き、兵庫県内の福祉事業所の見学に伺って来ました。

ご訪問させて頂いたのは、「NPO法人豊岡市手をつなぐ育成会」さん。

同法人は、障害のある方の保護者と支援者が母体となって設立した組織で、就労継続支援事業(B型)、生活介護事業を始め、多様な年代の方がより良い生活を送る為の福祉サービスを提供されています。

今回は、第5回スウィーツ甲子園兵庫県大会で1位を獲得した「玄さんがんこサブレ」の製造現場を見せて頂きました。

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良質な原料を使用し、ゆるキャラをモチーフにする事で地域おこしの思いも込められたこのスイーツの製造工程は、①下準備、②生地作り、③型抜き、④焼成、⑤包装に大別され、その各工程を利用者さんが担当されています。

前述した一つ一つの役割は、各メンバーの力を得意な分野で発揮出来るように、練習を重ねた上で決定し分業体制が取られています。

その他にも、現場内には毎日スムーズに製造現場を回す為の視覚構造化の取り組みや、品質を維持する為の工夫、ミスが起こりにくくする為の配慮が見て取れました。

案内して下さったスタッフさんの話では、「まだまだ試行錯誤をしているところです。」ということでしたが、利用者さんの得意を伸ばし、苦手な面をカバーする為の気配りが行き届いた空間である事がわかります。

素晴らしいですね。

玄さんがんこサブレ、機会があれば是非一度味わって頂ければと思います。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)

ネットワークの力が福祉を変える

学校法人・教育業界コンサルタントの水溪です。

いつもお読み頂き有難うございます。

福祉サービス事業所で働く方にお会いすると、行政や相談機関との間で生じる温度差が話題にあがる事があります。

事実、定められているガイドラインが不明瞭である為に、支援を求める人に行政窓口で適切な情報が提供されず、障害福祉サービスの円滑な受給が出来ないケースがあるそうです。

利用者さんの気持ちや、結果的に調整役となる民間の支援者の負担を考えると、行政への不満の声が聞かれるのも頷けることだと思います。

(行政の方で、不快に思われたらすみません。あくまで、そういうケースもあるらしい、という話です。)

先日お会いした関西の福祉系NPOの経営者さんは、これらの問題に全く異なる姿勢で取り組んでおられました。

すなわち、自ら他の事業所と行政を巻き込んだ自主的なネットワークづくりをする事によって、地域全体の福祉サービスの向上に尽力されているのです。

具体的には、

●事業所運営上の規定に関する情報の共有によって、福祉サービス提供者側のコンプライアンスの遵守を徹底する。

●都道府県レベル、市区町村レベルの制度の違いを共有し、行政担当者・事業者・サービス受給者の混乱を未然に防ぐ。

●地域で未整備の福祉施策に関しては、ガイドラインの提案という形で、行政への積極的関与を行う。

といった取組みをされています。

この方の眼には、自施設の利用者さんや職員さんの事だけでなく、地域全体の支援の問題まで映っていることが伺えます。

凄い経営者さんですね。

非常に素晴らしい方だったので、ここに記させて頂きます。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)