学校の世界には、「立哨指導」という言葉がある。
登校時、校門の前に教員が立っている光景を思い浮かべて貰えれば良い。
兵隊臭く管理主義的な響きは好きになれないが、私自身は出来るだけ時間を作って立つようにしている。
校則や生徒指導上の注意すべき点もある。
しかし、何よりもまず、生徒がどんな顔をして学校に来るかを見ることに意味があると思っている。
お互いの顔を見て挨拶をする。時に応じて、二言三言交わす。
その程度のことだ。
生徒同士の濃密な時間と比べたら、高校生にとって教員との挨拶など取るに足らないものだと思う。
しかし、2~3秒とは言え、これも人間関係の一つだ。
極端な話かも知れないが、健全な人間関係や安心な環境がある程度保障されていれば、学校で起こる多くの問題は未然に防ぐことが出来ると思う。
教員が生徒に目を向け、声を掛ける朝の時間も、そういった関係や環境を地道に築く一つの手段である。
勿論、忙しいことも有るし、全教職員が毎朝校門に立つ必要は無い。
ただ、時々でもやってみると、教員として得られるものが多いように感じます。
水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)