生徒が最良の支援者になる

学校法人・教育業界コンサルタントの水溪です。

いつもお読み頂き有難うございます。

教育現場の先生方とお会いすると、発達障害のある生徒さんに対してどのような関わりをすれば良いか、という声をお聞ききする事があります。

極論を言うと、一人一人違うものですし、私は魔法のような方法は知りません。

ただ、限られた時間の中で、40名近い生徒に対してきめ細やかなサポートを行うのは、並大抵の事では無いと思います。

もっと沢山の支援者がいたら・・・、と誰もが感じるのでは無いでしょうか。

放課後等デイサービスを始めとした福祉事業を展開するNPO法人サンフェイスさんでは、この問題を正面から解決するある取り組みをされています。

それは、

●小中学校の生徒を対象とした発達障害に関する訪問授業

の実施です。

正直、私はお話を伺った際、「えっ、先生ではなく生徒さん向けですが?」と思わず聞きなおしてしまいました。

すなわち、障害に関する理解を深めて貰う為に、見え方や感じ方といった特性の体験や、適切な伝え方を知って貰うワークショップを提供されているのです。

授業の根底にあるのは、「相手の気持ちになって考えることが大切」というメッセージであり、柔軟な子ども達はどんどん吸収してくれると仰っていました。

言い換えれば、40人近い生徒が最良の理解者、支援者になる訳です。

それって、本当に凄い事だと思います。

(※言葉で言うのは簡単ですが、実際には訪問授業時の伝え方一つとっても、物凄い配慮がなされていると想像します。)

何も特別な支援で無くても、どうして困っているかを周囲が分かってくれる環境があれば、それに勝るものは無いように思います。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)

複線型教育体系と職業教育の見直し

学校法人・教育業界コンサルタントの水溪です。

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教育再生を掲げる安倍政権のもと、高等教育の「複線化」を巡る議論が進められています。

この議論は、高等教育機関における「学術教育」と「職業教育」の複線化を行い、同時に、専門学校を含めた職業教育の高度化の実現を目指すものです。

実際、平成24年度の学校基本調査を見ても、新規高卒者に占める専門学校進学率は16.8%(前年度比+0.6ポイント)と3年連続の上昇を示しており、職業教育への社会的な期待の高まりが伺えます。

しかし、明治5年の学制に始まる我が国の学校系統図は、基本的には大学教育を一つの頂点とし、依然

「幼稚園⇒小学校⇒中学校⇒高等学校⇒大学」

という一本の線を中心とした構成である為、それ以外のコースの評価は十分とは言えません。

今回の議論が進めば、

①特定の教育段階における「学術教育」と「職業教育」を行うカリキュラムの分岐。

②専門学校を含めた職業教育の高度化と、職業教育教育修了者に対して付与する学位の整備。

が実現される可能性があります。

①に関しては、どこまでを共通の教育とする事が適切かを見極める必要がありますが、②に関しては、学位の付与によって、職業教育修了者の国際的な評価が向上するという意味でも望ましい事だと思います。

少し想像の飛躍があるかも知れませんが、専門学校へ多くの進学者を輩出する高校も、遠くない将来に上記の変化を念頭に置いた事業戦略の立案と学科・コース・カリキュラムの見直しが求められる事になると考えられます。

大きな流れが来ているようです。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)

福祉職の方が安心して働ける為の環境づくり

学校法人・教育業界コンサルタントの水溪です。

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先日、放課後等デイサービスの事業を行う経営者さんにお話を伺う機会がありました。

放課後等デイとは、児童福祉法に基づき、就学中の障害のある子どもの生活能力向上の為の訓練を行うものであり、受給者証の取得によって1割負担で利用出来る事業です。

私自身、過去に生活訓練・就労継続支援B型事業所に関わらせて頂いた事があった為、人生の早い段階で関与できる放課後等デイの存在意義の大きさは、理屈抜きで納得出来るものがあります。

私のような若輩者が言うのは適切では無いかもしれませんが、支援者としても経営者としても、非常に素晴らしい方でした。

お話を伺って特に感動したのは、子どもへの質の高い療育機会の提供や保護者へのサポートだけでなく、

「職員の処遇改善」

に本気になって取り組んでおられるということ。

介護の分野では良く知られているように、福祉職のバーンアウトは非常に深刻な問題です。

様々な要因がある為一言では語れませんが、「仕組みの整備」で解決出来ることも多々あります。

やはり、本当に良い支援を行なうには、続けられる環境づくりが必要です。

福祉分野の経営者が取り組むべき重要なテーマであると感じます。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)

事業を拡大しても続けられる体制づくり

学校法人・教育業界コンサルタントの水溪です。

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現在、国内で15,000店を超える展開を行うセブン-イレブン・ジャパン。

同社がまだ十数店舗だった黎明期の事業観が伺えるエピソードがあります。

正月5日まで休みである事が一般的であった当時、セブン-イレブンはサービスの向上を目指して元日からの営業を決めます。

取引先や配送業者も正月休みに入る中、商品供給を滞らせない為に幹部陣が提案した打開策が、「倉庫を借りて自分達で配送する。」という案。

しかし、鈴木会長はこの意見を厳しく否定されたそうです。

私のような単純な人間は、「えっ、何で?」「幹部陣も現場の問題を解決する方法を自ら出して、フットワークが軽くて凄いのに。。。」と素直に思ってしまいます。

では、何故なのか。

理由は、一言で言うと

「その方法は、1,000店になっても自分達で出来る方法では無いから。」

というもの。

結果的に、取引先に頼み込んででも届けて貰うよう指示されたそうです。

単に目先の問題を解決すれば良いのでは無く、何店になっても実行出来る体制作りを行い、それをもとに日々行動をしなければいけない、という事かと思います。

経営者の事業を見通す眼に感服致します。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)

学習上の躓きを持っている生徒に関する情報共有

学校法人・教育業界コンサルタントの水溪です。

いつもお読み頂き有難うございます。

前回の記事、中途退学を防ぐ為に全日制高校の先生が出来る事で触れました、

1.学習上の躓きを持っている生徒に関する情報共有

に焦点を当てます。

ここでは、「学習上の躓き」の背景にある要因を大きく2つに分けて考えてみましょう。

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①発達の遅れや偏りによる躓き

②学級崩壊や不登校経験などによる、小中学校相当の基礎学力未修得による躓き

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まず、①発達の遅れや偏りによる躓きについて。

過去の文部科学省の調査でも、学習面又は行動面で困難を示す発達障害のある生徒が、小中学校に6.5%程在籍する事が示唆されていました。

既に外部の相談機関に繋がっている場合や診断を受けている場合は、保護者・支援者との間でチームサポートの体制を整える事で、効果的な療育が可能です。

ただ、受診する程では無いものの、ある種の苦手を持っている生徒さんも多くいらっしゃいます。

例えば、障害特性によって、「聴覚の過敏さの為に騒がしい教室で落ち着いて学習が出来ない」「昼夜逆転による生活リズムの乱れで定時に登校出来ない」といった事が起こりえます。

また、「集中力が持続しにくい」「作文や計算といった特定の分野が物凄く苦手」と言った悩みや、「長々とした説明を聞いて理解するのが不得意」と言った声、「コミニュケーションが苦手で休み時間が苦痛」といった話もしばしばお聞きします。

現場の先生方が日々試行錯誤されているのは、こういった生徒さんをどう理解するか、といった事ではないでしょうか。

学校によっては、別室登校の為の環境を整えたり、外部のフリースクールや通所支援施設への登校を出席とカウントすると言った対応をされています。

その他にも、見通しが立ちやすくする為の工夫や、簡潔な伝え方の実践、休み時間に過ごすための場を設けるといった形の配慮で、スムーズな学校生活が送れるというケースもあります。

その為には、日々生徒さんと向かっている先生の誰かが小さなサインに気づき、教職員の間でシェアされなければなりません。

次に、「②学級崩壊や不登校経験などによる、小中学校相当の基礎学力未修得による躓き」についても見てみましょう。

何らかの理由で読み書きや計算の基礎学習をする機会を失ってしまうと、勉強自体に苦手意識を持ってしまいますし、高校の学習についていくのも非常にしんどくなります。

これらの生徒には、適切な教材を設定し、自学自習による学び直しを促す事が有効です。

一人ひとりによって適した形があると思いますが、学習範囲と期間を決めた上で採点も自分で行って貰い、教員は進捗の確認と、それでも分からない際の解説といった部分的なサポートで良いかと思います。

何よりも大切なのは、

「わからない事は恥ずかしい事では無いし、今から出来るようになれば良い。」

というメッセージを送り続ける事でしょうか。

小さな基礎の積み重ねは、きっと自信に繋がるはずです。

①と②のいずれも、担任、学年主任、教頭先生を始めとしたキーマンが、「誰が」「何で困っているか」「どのようなサポートが必要か」といった情報をきちんと共有し、躓きの理由に応じた適切なサポートを行っていく事が、中退を抑制する上で不可欠と言えます。

水溪 悠樹(ミズタニ ユウキ)